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ワンダーリアル  作者: 淡水
続・第七章:セントラル衝突浅田視点編
46/80

FILE:46 ツェルノ山脈

「私と同じ名を持つ強力な武器。」


FILE:46 ツェルノ山脈


浅田達が飛行場を出発するより、数週間前。デアトイフェル遺跡。

「・・・この辺、かなっと。」

大和は遺跡の最深部にいた。何やら地図を片手に作業をしている。

「エネルギー学の権威である貴方にも同行してもらうには・・・。」

静かにもう一人の付き人に話しかける大和。時刻は既に深夜の3時過ぎ。新魔法の光以外辺りは暗闇だった。


しかし、その光以外に大和の指輪が眩い光を放ち始める。それは少しずつ景色を転換させ始める。

暫く経つと光は消えうせ、辺りには物々しい倉庫らしき場所。


「何だ・・・?」


その光に釣られ、姿を現せたのは一人の銃を持ったアメリカ人。侵入者達は静かにそれを見ている。

アメリカ人兵士は異常が無いと確信をして、持ち場に戻る。


すると、二人は直ぐに物陰から姿を現す。目の前には大きな四角いキューブの様な物体。

「博士。魔法で確認してください。」

博士と呼ばれた男は、近くにあった鉄くずを手にし地面に何か陣を書き始める。


陣は直ぐに描かれ、男は立ち上がる。

目を瞑り頭で何かを考えだした直後、陣は小さな光を放ち始める。すると陣から木の枝の様に一本の線が浮かび始める。

それはズズズズズっと音を立てて、這いずり出す。


「貴様らッ!何やってる!」


さすがにこれに気がつかないわけが無く二人は呆気なく見つかる。

大和が男が集中してるのを考慮しつつ、人差し指と中指、親指を立てる。フレミングの左手の様なの状態だ。

その三角形の中にジジジッ・・・と怪しげな音が纏わりだし、それを腕ごと一気に振り投げる。


電気の様なそれは一瞬にして、大和の手から放たれ、アメリカ人兵士もその身を一瞬止める。

それは徐々に三角形を大きくさせつつ、一直線に兵士に向かっていく。


バジジジジッ!!!


感電を意する音が鳴り響く。幸いそれに気がつくものは居なかった。兵士は体をビクつかせ床に電気の紐で拘束された状態。

一方その頃、博士―アレスト・リサイトは陣から伸ばした線を木に変えていた。それはキューブの下にまで達してそれ以上は成長をしていない。。


「桜・・・みたいですね。」

兵士の動きを止めた大和がそのピンク懸かったその木を眺めてそう言う。


「・・・これは・・・。」

アレストの表情が一変した。


―まさか、これほどか・・・!?


目を大和に向けたが、大和は一心不乱ともいえるぐらいに木に目を奪われていた。


「どうでした?」

大和が視線に気がついたのか不意にそう話しかける。

「あ、あぁ。長年、魔法とエネルギーに関して研究をしてきたが、永遠とも言えるエネルギーを持っている物体など始めて見ました。」

その発言が嬉しかったのか、彼の口角が確かに上がった。


それを例の倉庫に持ってきたのは直ぐ後だった。大和タケルは直後に火の手が上がっているセントラル地方に向かい、テンプル王国にいた氷の女王に悪魔な品々を返しに行ったそうだ。

だが、アレストはそんなことどうでも良かった。彼の興味の対象は同じ大和でもダイワ爆弾だったから。


呪文で作動するようにだとか、いろいろな注文も全てこなしてやった。大和もそれ以上は何も言うことは無かった。


□■

時は戻って、浅田たちの乗る飛行船。

「もう直ぐですよ。」

浅田が目を覚まし、第一声目に聞いた言葉だ。

―いつの間にか眠っていたのか・・・?


数時間という短い時間。その間の出来事を一切知らないということはあの夜明けを見た直後に寝たのだろうと考えた。

飛行船はゆっくりと着陸し、降りる様に飛行士に促された。


「長閑な空気だな。」

そのまま、東北という様な空気だった。元々、浅田は東北出身者だった所以故郷に戻ってきた様な錯覚にも少し陥った。


「あの山の向こうです。」

ウィニーが高い山を指差す。それがあって、直ぐに彼も’現実’に引き戻させられる。

「険しいな・・・。」

富士山と同じぐらいと形容してもおそらく過言では無いだろうと言えるほどの山。

「・・・。大丈夫ですか?」

「あぁ。この目で確かめ無いと分からない。前線にいる二人よりはきっとマシだ。」

浅田の頭に二人の顔が浮かんでいた。西と飯島の二人。


「では、明日。あの山、ツェルノ山脈を越えましょう。」

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