FILE:42 生き延びた考古学者
―大和爆弾 設計図。
「これをエネルギー学者である・・・貴方に見ていただきたい。」
FILE:42 生き延びた考古学者
科学の世界で言うヨーロッパ諸国の揃う大陸 ソロモン大陸のある某所。
そこには数人の男がいた。一人はヒゲが濃く、髪も長い一見して不潔そうな男。
その男の付き添い人である少し中年太りをしたメガネの男。
そして、もうひとりは帽子を被ってスーツを着込んだ男で年齢は軽く50半ばと言ったところ。
帽子の男もまたヒゲが割と伸びていた。
「・・・私をエネルギー学者と知ってたのかね?」
帽子をかぶり直しつつ、手渡された紙に目を通し始める。そこには彼が今まで見たことも無いエネルギーだった。
「なんだ。私以外にも魔法を一種の物理的ものだと考えている人間がいたか?」
「えぇ。私は・・・。その物理とやらの結晶である科学をこの目で見て実感した。」
不潔そうな男は旧友の姿を想った。
「・・・なるほど。で、私に何をして欲しい?」
「この爆弾を利用したいのだ。製造にはこの世界では無理がある。これを魔法的に利用出来る様付け加えをして欲しいのです。」
エネルギー学者と呼ばれた男はワ爆と書かれた資料にある程度目を通しつつ、最後に不潔そうな男 大和タケルに聞く。
「こんな物を何に使う?大陸一つは消滅するぞ?」
□■
氷の城 女王謁見場。
「それで、レイ・セルノーツ。今日は何の用で?」
「いいえ。日々のお礼に上がったまでです。」
氷で出来た椅子に腰掛ける、色白い美しい女。一方対して下で立ったまま話をしているのは太った、如何にも豪華な生活をしていると言わんばかりの男、名をレイ・セルノーツと名乗った。
「本当に・・・?貴方はいつだって、ただの礼でこんなところには来なくってよ?」
「・・・。率直に聞きますけど後悔はしてないんですか?その体にされて・・・。」
氷の女王は質問の意図を探った。
そして、直ぐにこう回答する。
「別に。こんなことになるとは想定しておりませんでしたし、何よりあのまま異国の客を残しているよりかはこの体で不老不死を手にした方がずっとマシですわ。」
レイはその回答に少し満足げな表情を零した。
そして、突然声のトーンを上げて耳にしたある噂話を学生の様に嬉々として話すこと。
「女王。面白い奴らがいるんです。科学などと言う妄想の類を使う存在がこの世界にいるんですとよ。」
「ッ!?それは本当かしらッ!?」
女王の表情は一気に険しいものへと変化する。
「え?あ、まぁはぁ・・・。」
レイはその反応に少し困った様子で指を振り上げた。指には光がまとわりついていて光が写真を描き出す。
そこに映し出されたのは、バイクに跨る西の姿。
左袖にはSA・O・TO・MEと書かれている。
「・・・こんな物が世界にはあるのね。」
「えぇ。奇妙な物ですよ。たまたま通りかかったという火の里の兵士がそれを残してたのを譲ってもらいまして。」
□■
セントラル付近の上空 早乙女空母 管制室。
「・・・ウィニーとか言う兵士が浅田司令をどこかへ連れて行ったらしい。」
「ウィニーさんが!?」
真っ先に驚いたのは沢木だった。唯一、ウィニーの存在を知っていたからである。
「レーダーに感ッ!地上で大規模な戦闘が始まってますね。」
飯島は直接甲板に赴き、おもむろに下を覗き込む。下では激しい光や声、金属の擦れ合う音、火の手が上がったりと様々。
しかし、そのどれもが戦争の厳しさを物語っていた。
「今、空母を落とすわけにはいかない。取り敢えず、機はテンプル飛行場を目指すぞ!」
ゴゴゴゴゴ・・・・。空気を大きく裂く振動音が左に移り変わっていく。
テンプル飛行場。
「帽振ッ!」
小隊との再会。誰ひとりの殉職も無くたどり着いた。飯島は直後に王と謁見し、北部の戦闘に参加すると宣言した。
別に北部に思いれは無かった。しかし、反撃をすれば注目が集まり、より際立ってワンダーリアルを体現出来る。そのためならば何だってやってやる。
その意思だけが彼を突き動かしていた。
しかし、鉄壁の壁と言っても過言では無いこの地。彼らは遂に氷の女王が来国する旨を聞き、謁見する決意をしていた。




