表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワンダーリアル  作者: 淡水
第四章:絶対王編
31/80

FILE:31 見えている風景

エリア王国 病院。

「私はどれぐらい治るのに時間がかかるのかね?」

浅田はかかりつけの医師に寝ながら回答を求めた。すると、医師は手を浅田の頭上にかざす。ほのかにうち光て何かの塩梅を図る。


「・・・この様子ですと、退院までには1ヶ月はゆうに必要ですな。」

「一ヶ月以上・・・。そうと決まれば王国のヒューズ・イノセント大佐を呼んで欲しい。」


数十分ほど後。

「お呼びですかな?司令。」

イノセントが病室に現れる。その表情はどこか柔らかい。


「西中尉と、飯島空士長を両名に二佐出世と伝えてくれ・・・。そして、私の替わりに西二佐に司令に就任してもらいと伝えておいてくれ。」

浅田のその顔はどこか満足げだった。そして、頭に浮かぶは二人の顔。


―もう彼らに任せてもいいな・・・。


□■

サウスアンゴル宮殿 会食パーティー会場。

志木はえらく歓迎ムードだった。セルン王国軍将軍を救った英雄として。

だからこそ、だからこそ志木の中で迷いが渦巻いたのは誰にでも容易に理解出来た。


「くくく。あの男を一矢報うにはあの手が一番なんだよ。」

気が付けばイヴィルが一人で喋っている状態。



「くくく・・・。ところで。英雄よ?」

笑いが一瞬で消え失せる。そして、声のやり場は志木。


「貴殿のその目は何だ?」


一体どんな目をしているのか・・・。自分自身が確認したかった。


「貴殿のその目。それは・・・例えるなら世界を見据えた顔だ。」

そこで、イヴィルは酒を取り出し、丁寧にワイングラスに移し、それを口に含む。


―・・・。さようなら。イヴィル・クラーク。


最期の別れの言葉が心で呟かられる。


「・・・一度、英雄と話してみたい。外に出てみないか?」


宮殿の高いベランダに志木とイヴィルは出る。


ビュゥゥゥゥ・・・。


暑い夏の終わりを示すが如く北風が体を襲う。


「貴殿は私に隠し事をしている。そして、もうそれを話しても良い。何故ならば’私がもうワインを飲んだから。’」

「ッ!?わかっているんですね・・・?」



私が貴方を殺そうとしていると・・・!



嘘だと確信していた予知の能力を肌で感じる。


「貴殿の追うものの後ろに大きな陰謀を感じる。悪魔・・・いや?これは何だ・・・?」

イヴィルが変なことをつぶやき始める。まるで殺すという志木の言葉を無視しているかのように。

「・・・潮時だ。この時を待っていた。」


毒が回り始めた頃だろう。イヴィルの顔が大きく歪む。


「だ・・・・だがな・・・英雄よ。・・・私は永遠の英雄である・・・その必要が・・・ある。そのために・・・犠牲とな、なってくれ・・・ッ!」


グイっと志木の腕を引っ張る。そして、それは中にいる人間たちには死角。

完全に志木がイヴィルを突き落としたように見える。



「なッ!」



その単調な驚き言葉と共に二人の体は宙を舞い始める。






「あ、貴方にッ!見えますかッ!?この先・・・!この世界の運命をッ!」

志木は冥土の土産に・・・。何かを知ろうとした。



「あぁ。見えているとも・・・。だが、その背後に見えない・・・誰かがいる・・・。これは封の魔術者・・・?」


志木には何が見えているか分からない・・・。だが、知ろうとした時、


ゴッ!!!


鈍い音がする。上で見ていた者ははっと息を飲んだ。


そこに静かに何者かが寄り、イヴィルの右目に手を翳す。光が少し漏れ、イヴィルの目は左のそれと同じ姿に。


「・・・大和さん。悪魔の力はいらないのでは?」

「そうです。ですが・・・今はまだ悪魔を目的としていると’見せなければならない’のですよ。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ