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ワンダーリアル  作者: 淡水
第四章:絶対王編
28/80

FILE:28 反政府組織

反政府組織の隠れ家。

「・・・。」

志木はスネークの手下が自分をここへいざなったと判断するのに暫く時間を有していた。

彼にとってスネークとは見たことも無い未知なる存在。つまり、初見では一体どこの誰なのか理解することが出来なかったのだ。だが、圧巻のオーラ。きまった軍服。志木自身が軍人であることも含め、理解できた。


―あぁ、この男がスネーク大佐と呼ばれる男なんだな。


「初めまして。スネークだ。」

険しい顔のスネークは志木を見てそう告げただけだった。


「後は任せた。」

隣で立っていた兵士に向かって、それだけを残して別室へと歩くスネーク。扉がガチャンと音を経てて閉まった。と、同時に志木を連れてきた男がローブを脱ぐ。


そこには聡明そうな青年。抵抗軍と自称する彼らの構成者ほとんどは政治に対する不満を持つ若い衆ばかりなんだろうなと志木は感じた。自分は西とあまり変わらないことに気がつき、少し心で苦笑した。


「ソルト・ツェンプルです。どうぞ宜しく。」

表情を一つも変えず、淡々と自分が何者か語るソルト。そうして、紹介を終えると冊子本を手渡す。


「これを即刻に読み、記憶して焼却してください。任務は明日のセルン王国将軍視察の際。」


自己紹介同様にソルトはほとんどの説明を端折って行く。さすがに着いていけないと感じてはいた。

だが、ここで質問すれば冊子本にも書かれていると言うに決まっている。ならば、余計なことは言わずしておこう。と考えた志木は黙って説明を聞き続ける。


「では、後はその冊子本に。」

志木の自室を案内しつつ、ソルトはスネークと同じ部屋へと向かう。


抵抗軍 司令室。

「あの男は使えそうか?」

後から入ってきたソルトに突然、問うスネーク。

「さぁ?どうでしょう。ですが、ここを訪問してきた異端児がそう話すのですから、或いは・・・。」

ソルトは数日前に突然訪問してきた男の顔を浮かべた。


「ふん。名の知れない考古学者の言うことなど・・・。」

「・・・。」

ソルトはこれ以上余計なことは慎もうと話を半ば途中で放置する。それには慣れっこといわんばかりにスネークもまたその口を閉じる。


早乙女基地 管制室。

「一難去ってまた一難・・・。」

本土爆発の旨をイノセントから聞いた西たちは愕然とした絶望に襲われていた。それも当然。

命をも懸けて最終決戦と呼称された南部決戦と同時に発動させた南部作戦。最早、それすらも水の泡と言える一報である。

だが、今後の行動にあまり何も考えが無かった浅田もこれには参っていた様子。


「うっ!」


初老の男の声。誰しも分かった浅田の苦しみの声。浅田は突然その場に倒れこんでしまう。


「司令ッ!おい!運べ。」

真っ先に気がついた飯島は医務室へ浅田を搬送するように命令する。幾人の兵士が担架を出して、そこに浅田を乗せる。

そして、医務室へと運び込む。


気になった飯島、西、イノセントは担架の後を走って追いかける。


早乙女基地 医務室。

「・・・。うーん。」

富山はレントゲンを取替え並べ、そして少し困った様子で告げる。


「脳梗塞ですね。」

「なっ!?ここで何とかするには!?」


富山もそれは試みようとしたと言わん表情。


「これはどこか大きな都市の病院にでも搬送するしか。」

「ならば、我が王国の病院はどうだろうか?この病気には見覚えがある。完治もするだろう。」

全員が驚きと希望を持ってイノセントの申し出にOKを出した。


「CH-53ヘリ発動!」

時と争うそれに対して飯島は早急な判断を有すると知っていた。直ぐにヘリに担架ごと乗せて離陸するヘリ。



―・・・何としても間に合ってくれ・・・。


西のその思いは必死の神頼みだった。異界の地での。

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