FILE:27 大和の狙い
デアトイフェル遺跡 北部。
「やはり・・・無いな。」
大和は唯一の奉納場所とも言えそうな神殿の前にいた。しかし、そこに目的の品など無い。
デアトイフェル遺跡が発見されたのは今から1000年も前。こんな目につきそうな場所の貴重そうな品を当時の連中が持って返っていないわけが無い。
「探す手立てはありませんね。」
初めてデアトイフェル遺跡に来たというアイは遺跡に目を回していた。というのも人生の中で車で移動可能な遺跡など初めて来たのだから。
「そういえば誰ものを斬れる剣というのは?」
「・・・分からない。絶対王の持つという未来が見える目。ぐらいしか残る魔道具は知らないな。」
アイは少し焦った表情になる。何分、飛行船の中で大和は失敗は許されないと言った。
だが、肝心の魔道具に関してはさっぱり分からないという一点張り。
しかし、そこでアイは気づく。
―この男には別の狙いがある・・・ッ!
「魔道具がどうして必要なのです?」
他に狙いがあるとするならば、魔道具を探しにデアトイフェル遺跡に来るわけが無い。
「魔道具?そんなものは必要無い。今の世界、一番の安全地はデアトイフェル遺跡を除いてどこにも無い・・・。」
「なッ!?」
流石のアイもその言葉には心底悩まされた。まさか、宛ての無い旅に付き合わされたなどとは。
「強いて言うならば悪魔の抹消と言ったところですかね。」
□■
南米。サウスアンゴル王国。
―ここに絶対王と呼ばれる存在がいる・・・。
志木は付き添いの人間も連れずに王国の広場にいた。目に入るのは記者ばかり。
―何かあったのか?
外国に関しては何も知らない志木は現状を知るには見て聞くしか無いと思った。
慌しい空気の原因は反政府組織が大規模なデモを開催すると予告しているかららしい。何でも絶対王 イヴィル・クラークの行う予知は悪魔の力だと言うらしい。
―なるほど、書物の噂は本当らしいな。
イヴィルの予知は一字一句間違い無いほど性格だと市民は感銘を受けていたほど。エリア王国で読んできた歴史書を振り返ってさらに後戻りは出来そうになくなって来ていた。
しかし、市民に話を聞くと記者が祭り騒ぎにしているのは何でも国軍のスネーク大佐と呼ばれる大佐が反政府グループの実質上のトップの座にいるという情報を聞きつけたからためらしい。
その時点で志木は気づかなかった。
カシャン・・・。金属の音が志木を頭の世界から引き戻す。
袖の部分から見えている隠しナイフ。目だけを背後にやると真っ白なローブ。顔は隠していて分からない。
「着いて来い・・・。」




