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ワンダーリアル  作者: 淡水
第三章:南部作戦発動編
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FILE:25 陽動作戦開始

大島・島岡の乗るイーグルが早乙女基地に到着した頃、CH-53ともう一機のイーグルがレイド王国に到着していた。

ゲノム大橋からほど近いレイド王国の人々も固唾を呑んでゲノム大橋を見ていたらしい。

基地の面々の事情を理解した国王始め市民たちは直ぐにCH-53に乗り込んだ。


「こちら、CH-53。現在レイド王国の市民全員の撤退が完了しました。」

「こちら、本部。了解。待機場所の確保は完了している。直ぐに帰還せよ。」


飯島は口元のマイクに手を当て、CH-53やイーグルとは違う場所に連絡を送る。


「こちら、第一小隊。海の里を視認しています。」

「こちら、本部。了解。TNT爆薬の設置は?」

「完了してます。ですが、妙な情報が入ってます。」


飯島がそこでヘッドホンの先の声を疑った。


「海の里。数日前に東海地方周辺に船を数十隻行っているらしいです。」


西もその発言を疑った。全員の中に少し緊張が走る。

九州地方より北部に位置する周辺では、少し前から大きな戦争が燻っていると知っていた基地の面々は冷たい汗を流していた。


「・・・大和は気づいているのか・・・?」

この状況を一番早く脱したかった大和は日本全土の戦争に発展するかも知れないということを知っているのか?

その疑惑が西の中で回り始めた。


□■

丁度、それを見透かすか如く大陸船団船内部。

「まさか、海の里が国王死亡の日に北部に戦争を仕掛けるとは・・・。全く里長も相変わらず変わった人だ・・・。これで本土爆発は逃れられない・・・。」

中年の小太りの男 アイ・ザックバーがメガネをかけなおしつつ大和の声を聞く。


「これで失敗は許されない・・・というところですか?」

「・・・。私の計画に破綻はありませんよ。それに99.9%ですら失敗の計画。緊張は高ぶりますね。」


大和は窓から外を見る。見えるのは、ただ雲のみ。だが、その雲を見てその下を見透かす様に大和は笑い始めた。


「まぁ、後は彼次第といったところですかね。」


同時刻 早乙女基地。

「・・・だが、南部決戦。早急に終戦させるのが一番だ。任務は実行して欲しい。」

了解とだけ聞こえ、不安混じりの声は途切れた。


「森の里の方もスタンバイは完了した様です!」

飯島はコクリと頷く。


ゲノム大橋。

両者は苦戦を強いられていた。

しかし、光の騎士団を備えていた森の里はそこで底力を見せつける。


「振り切られました・・・。」

「・・・仕方ない。だが、騎士団がいれば違う。上空から頼む。」

森の里の兵士の発言にはっと返し、ホウキに跨る騎士団員。


ヒュゥゥゥ!!


「空より奇襲ッ!」


海の里は焦燥に駆られ始めた。


―防御が精一杯。攻撃に転じるですら難しい中、空を守ることなど出来ない。

しかし、一報はそこで来た。


「撤退ッ!!!」

海の里は騎士団員の前に撤退したかの様にも見える。だが、実際には里の回りで大きな爆発が起きたため、早急にもどることに。

しかし、それは決して森の里だけでは無かった。



「・・・ここまで来てゲノム大橋を手放すのは・・・。だが、先に里だ!撤退ッ!!」


僅か30分もしない内に多くの傷を残し、ゲノム大橋は熱を下げた。


早乙女基地 管制室。

「良し!よくやった!帰還してくれッ!」

管制室でも地上でも歓声が上がっていた。スコールは既に消え失せ、ジメジメとした暑さが彼らを襲っていた。

それもあって、熱気はさらに上がっていた。

「・・・さて、最後の仕上げだ。ゲノム大橋大破させるぞ!」

次回、南部作戦編完結!

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