FILE:20 大陸船団
フォースノーツ郊外のとある飛行場。
「・・・これが魔法石で浮かばせる船。」
「はい。国王の死の直後から渡航決定権を持った人間が居ないものでね・・・。今ならあんたを乗せてノースアンゴルまで飛んでも構わんよ?」
大陸船団と呼ばれる大きな国が所有する空の交通網専用の飛行場に大和の姿があった。
「・・・しかし、国王が旧市街の者の前で倒れたか・・・。」
「はい。非常に残念なことです。」
大和は己の犯した罪などとうに忘れたかの如く罪を擦り付け、船を使おうとしていた。
「だがよー大和くん。ノースアンゴルには何用で?あそこはいっちゃなんだが超巨大遺跡デアトイフェル遺跡と原住民族しか無い。」
「・・・そのデアトイフェル遺跡に用があるんです。私は考古学者なものなんでね。」
実のところ大和は敢えて兵士であることを伏せていた。
「あ、そうだ。この手紙をエリア王国軍ヒューズ・イノセント大佐に届けて欲しい。で、大佐には基地にいる志木という人物に渡して欲しい。頼んだのはクロム・グランドだと言っておいてくれ。」
「・・・分かった。良い旅をな。」
受付事務係の男が親指を立てる。
それに少しニヤリと笑う大和。
10分後、普通の船は空を舞った。
―あの若造は何を考えているのやら・・・。
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海の里。
「森の奴らが大分と接近してます。」
「ふむ。そろそろ我々も戦闘に備えるか。奴らは海には進行してこれんからな・・・。」
地図に諸島と本州を結ぶ間にある大きな橋、ゲノム大橋の上に大きな×印を書く海の里の若き将軍 グリフォン・ブラウン。
「このゲノム大橋が決戦地となりそうだな。」
「報告です。上空より見慣れない物体が飛来。」
椅子に座っていたグリフォンは静かに立ち上がり、外に出る。
ブウォォォン・・・。
上空を飛ぶ見慣れない物体。
「ちっ。空の里が居なくなったと思えば・・・噂で聞いているあいつらか・・・。」
早乙女基地 管制室。
「レーダーに感ッ!海の里です。」
「良し、先刻の巨大な橋がゲノム大橋だな。今度はレイド王国だ。」
レイド王国とはそう名乗ってはいるものの総勢約60人。
飯島の考えとしてはレイド王国民の早期撤退直後にゲノム大橋の破壊。航海技術に加え、海を味方にするのが海の里に対して、陸の壁とも言える森の里。
お互いがお互い苦手する物が強力。だが、その両方に左右されないのが我々の言うところの鹿児島から沖縄までの655.7kmという並外れたゲノム大橋。
誰もがそこを決戦地と考えていた。森の里と光の里の連合軍か海の里。
ゲノム大橋の上ではその戦局どうなるのか予想だに出来なかった。
「再びレーダーに感ッ!レイド王国と思われる場所です!」
「よし、TACOMを撤退させろ!」
飯島はここまでを振り返って考えた。レイド王国民の移送には対して問題は無いとして、問題はその全長655kmもの巨体を持つゲノム大橋の破壊。爆破にも手間がかかる。かと言って両里の兵士をミサイルで滅多撃ちにしていいわけでも無い。
「ヒデキ。俺に案がある。」
考えを見透かされたのか西がえらく自信満々に作戦を提示しようとする。
「言ってみろシュンスケ。」
「陽動作戦なんてどうだ?」
発想の転換が一瞬で出来た。
「両里の本拠地を’攻撃する様に見せかけ、ゲノム大橋から早期撤退をさせる。そのままゲノム大橋を滅多撃ちにすれば良いだろう?’」
「なるほど、悪く無い発想だ。良し、それで行ってみようじゃ無いか。」
西は満足げな表情を浮かべ、目線をまたレーダーに移す。
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