表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワンダーリアル  作者: 淡水
第二章:暗殺阻止編
17/80

FILE:17 二つの発砲

「予定地に狙撃・観測班到着。」

沢木、白田は少し見晴らしの良い高台広場にいた。イノセントの力を少し借りて必要期間中はこの高台は閉鎖されている。


「おかげで任務に集中出来ますね。」

「あぁ。お前の腕を見込んでの狙撃だからな・・・。大会と思え!」

沢木の腕は陸自の頃から折り紙つきで、大会でも優勝をよく手にしていた。


「はっ。」

早速、沢木は片目でスコープを覗く。その様子を見て、白田も視界の広がる双眼鏡に目を移す。


□■

エリア王国 宿屋。

「中尉、先ほど、狙撃班より予定地に到着したという報告有り。」

「了解。」

宿屋の201号室では西、志木、滝の3人がそれぞれ銃に弾をつめながら準備に追われる。


「そういえば、王国の魔法はどんなんなんだ?」

アランカ地方では5つの魔法が主流に見えた。しかし、王国にはそれらしい特徴のある魔法が見えない。


「あ、言ってませんでしたかね?」

「?」

西と滝にクエスチョンマークが浮かび上がる。


「この世界には二つの魔法がありまして。新魔法と旧魔法。里に一つの魔法というのが旧魔法。ですが、様々な魔法。例えばほうきに跨って空を飛ぶ。物体を宙に浮かせる。人の体を治療する。そういったのが新魔法です。」

息を整え、志木は続ける。


「ですが、里の人間も多くは新魔法です。つまり、主流の魔法は新魔法ですんでいろいろ出来るわけです。」

西は己の体を治療したピクシーも新魔法の使い手だったのかと振り返った。


「あまり、時間ありませんし、早速任務に移りますか?」

「・・・そうだな。」


一同は装備を確認し終え、部屋を後にする。


□■

エリア王国 広場。

「国王の演説まで数時間・・・。」

「ここで一度別れよう。俺たちはいざというときのために旧市街地で待機している何かあればその無線でこっちまで飛ばしてくれ。」

先ほど、志木にも教えた無線。魔法でもテレパシーの様なものがあるらしいが、それより高音質で驚いていた。


「了解だ中尉。暗殺計画など・・・発動しなければ良いですが・・・。」


エリア王国 旧市街地。

「こちら、保護班。今ポイントに到着した。」

「こちら、狙撃班。了解した。現在、広場に不審な様子はありません。」

「よし、では何かあれば至急連絡を」

「了解。」


エリア王国 高台。

風はそこまで強く無い。風向きは北西。

演説台付近にスコープをあわせておく。三脚を立て、臨戦態勢の沢木。

「人が多いな・・・。この中に実行犯がいるかは分からないが・・・。」

「・・・。集中しましょう一等兵。」

白田はこくりとうなずく。


そして、遂に国王の演説が始まる。


「・・・次だな。集中していくぞ。」

「はっ。」


白田は会場全体を見極める。

怪しい動きをする者がいないか・・・。今はまだ誰も動く気配はしない。


しかし、左後方で見ていた男が演説が始まった途端にすぅっと動き始めるのに気がつく。

「左後方、動く者あり。距離、60。」

「確認。まだ、何も見えない。そっちは私が見ます。一等兵、他の場所を。」

言われて白田は双眼鏡を会場全体が見える様にする。今度は動く者はいない。


エリア王国 広場。

-・・・。まだ何も来ないな・・・。

狙撃班と同様に厳重に周りを見渡す志木。が、そこであることに気がつく。

「口が動いている奴がいる?」

たった一人でいる割に誰かと話すことなくぶつぶつと何かをつぶやく者。


-まさか、唱えている?


だが、ここからでは一体どんな魔法を唱えているのか分からない。実行犯かサポートなのか・・・。

国王の方に向き直ると、別に動く存在。


「こちら、志木。狙撃班聞こえますか?」

「こちら、狙撃班。感度良好。」

「怪しい人影を確認。同時に魔法を唱えている様な者も発見。」

志木は距離を明確に伝える。


「その人影はこちらも確認。奴にポイントを定めておく。」

「了解。こちらも魔法を唱えている者に注意を払う。」

「分かっているな?必要であれば直ぐに国王を保護するんだぞ?」

「分かっています一等兵。」


「きゃあああああ!!」


そこで、悲鳴が響き渡る。

-来たッ!


志木は直ぐに演説台に目を送る。

すると、先刻の人影が確かにナイフで国王を人質に取っている。

そして、今度は魔法を唱える怪しい人物に目を送ると・・・。そこにはこの状況下でただ一人冷静そうに演説台を見つめる男。


だが、その目はえらく血走っている。

「あの野郎。病魔魔法だな!」

病魔魔法とは禁術魔法の一つで人を病で苦しみ殺すという恐ろしい魔法。


「てぇことはあの二人は別グループかッ!?」

保険か、別者同士か・・・。だが、何にしても事態は一刻を争う。


志木は直ぐに腰の9mm拳銃に手をかけ、


パーンッ!!


動乱に混じって響き渡る乾いた音。

静まりかえる会場と倒れる目の血走った男。


パーンッ!!!


再び響く乾いた音。ドサッと倒れる国王を人質に取っていた実行犯。

全員が唖然とした表情の内にさっと演説台に寄りて、国王を保護する志木。


「こちら、志木。ブラット・エリア国王を保護しましたッ!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ