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ワンダーリアル  作者: 淡水
第一章:絶対防衛ライン突破編
12/80

FILE:12 パトリオットミサイル発動

内容にミスがあったので変更しておきます!

エリア王国市街。

「あんた、見ない顔だね?」

ベンチに腰掛ける男に一人の老人が隣に腰を下ろしつつ男に話しかける。


「はい。アランカ地方の。」

「アランカ・・・!?あんな戦時中の?」

アランカの5種族の戦争はセルノーツ全体を震撼させるほどであった。

「えぇ。セルノーツ全体から兵士が投入されてるのも存じてます。」

「で、あんたは何用でこんなところに?」

そこでベンチに座っていた 火の里の兵士 大和タケルはすくっと立ち上がる。


「ブラット・エリア国王に会いにいく。」

「なっ!」

戦時中のしかも一地方の兵士如きがフォースノーツを統治する国の王に会えるはずが無い。


□■

エリア城前。

「今日はどういったご用件で?」

門番が大和を止める。

「国王へ謁見しに来た者だ。」

「許可は?」

そこで、大和は腕を捲る。門番をそれを見ながら少し驚いた様子で門を開ける。


エリア城 謁見の間。

「それで・・・。科学を操る人間が現れた・・・とか?」

白いヒゲの伸びた老人 ブラット・エリアが大和とは目を合わせようともせず後ろの窓から外を見る。


「はい。非常に危険です。外のエンペスト・フォース将軍もその様に。」

「分かった。今回はエンペストの顔にも免じて許可する。空の里にはこちらから通達する。」

ブラットは大和に視線を送り始める。


□■


早乙女基地 管制室。

「こちら、本部より通達。空の里の方面より約40から成る隊の様なものを確認。警戒態勢に移行。」

「了解ッ!」


一斉に慌ただしくなる。

「志木。しっかり、見ておけ。これが科学だッ!」

「・・・。」

西のその言葉にただ黙る志木。


早乙女基地 地上。

「03式中距離地対空ミサイル発動!」

長方形のボックスが地上の滑走路に並べられる。


「敵位置レーダーが届きました。SAM-4の射程内です。」

「SAM-4いつでも行けます!」

「撃ち方・・・始め!!」


長方形のその箱から誘導弾が4発発射される。射程50km以上のそれは直ぐに標的に向かって飛ぶ。


「何だ?」

彼らにはそれが何か全く分からなかった。目標方向から何かが飛んできた。それだけ。


ドーンッ!!


何かが爆ぜる。

「がああああぁあぁああああッッ!!!」

「鈴木ッ!」

飛んでいた鈴木は爆ぜたそれに巻き込まれ一瞬で消え去った。


「奴らだ・・・ッ!」

確かに分かった科学の民の攻撃だと。


「目標一機沈黙確認。続いて第二、第三も沈黙・・・確認ッ!」


「振り切れッ!」

逃げても逃げても・・・逃げることの出来ない後ろをつけてくる何か。


「目標を確認。何でも良いッ!殺るぞ!!!」


飛び込んできた空の里の兵士は管制室にも確かに映っていた。だが・・・30もの兵士。

飯島は見逃してしまった。飛び込んできた兵士にいち早く気づいたのは地上の連中。


「あれ!敵を直上でかくにッ!!ぐあああああ!!!」

里の兵士はスピードを上げ、そして小さな竜巻の様に己の姿を”目”に集約させる。

そして、猛スピードで地上に激突する。呼応するように竜巻は周りの人、物品を巻き込む。

小さかった竜巻は大きくなり、やがては通信科全体を覆おうとしやんばかりの大きさだった。

「これがッ!!!魔法だッ!!!」

その声が周辺に飛び散った。だが、その言葉を期に竜巻は小さくなりやがては消滅してしまう。


「通信科にて損傷を確認ッ!」

飯島は我に帰る。今の自分が祖国を守る責任者なのだと。


「ちくしょう!ヒデキ!何してる!」

西は管制室を飛び出す。


地上に上がった西の腕から背中にかけて握られていたのはスティンガーミサイル。



「悪いな・・・恨みは無いが祖国を守るのが・・・・我々国防軍だッ!!!」

目標を捕捉し、バシューンと白い煙を放ちながら筒から発射されるミサイル。


「ぎゃぁぁぁあ!!!」

それは光の里の兵士に当たる。


「はぁ・・・はぁ・・・・。」

そこで早乙女基地の人間たちは気がつく。俺たちはもう軍人と同じ人殺しの様な存在なのだと。

だが、過酷は彼らを休ませはしなかった。


「上空より大規模な移動物体。」

「それが・・・空の里の本体だ・・・。」

志木は気象レーダーに映し出された移動する大きな雲を指差した。


「・・・パトオットミサイル準備。そらのさとに対し、PAC-3形態に移行することを推奨します。」

飯島のその言葉に管制室は一斉に静まり返った。鳴り響くのはレーダーが感知している無機質な音だけ。


「本当に・・・やるのかッ!?」

西は思わず口に出して空士長に問いた。

「西中尉。我々はの空を守る必要があるんです。どんな理由があってもそこに他の理由を混ぜるわけにはいかないんです・・・。」

「川田・・・。」

レーダーを監視していた川田が西の方に振り向いてそう告げる。

「決まりだな・・・。空士長。PAC-3形態に移行。整備班及びパトリオット中隊は急いでプラットフォームを急げ。」

「はっ!」


「プラットフォームに弾道が予定地に到着しました。飯島空士長、ご指示を。」

「・・・撃ち方用意。撃てッッ!!!」


森と一体化していた幾つもの車両の内、長方形の箱を持ち合わせた車両が白い煙と共にミサイルを撃ち放つ。

「これで後戻りは出来ないな・・・。」


空の里 本部。

「た、隊長!!地上より、一つの飛行物体有り!発射地点等は不明です。もしかすると火の生き残りがいたのでは!?」

「まさか、大和がそんなヘマをするわけ無い・・・。もしかすると’アイツ’かも知れない!」

隊長と呼ばれた男 園原は雲と一体化している自分たちの故郷の地を踏んだ。そして、恐る恐る下を覗き込む。

ヒュウウウウゥゥ・・・・。ドーンッッ!!!

「うわぁ!?」

人も家も、自分自身も揺れる。そして、直感で理解する。


―飛行物体が直撃したッ!


「隊長!ヤバイです。’空の魔法石’に何かが直撃し、里自体が墜落しかけてます!いえ、10分もしない内に墜落します。直ぐに脱出しましょう!」

「いや、待てッ!!」

逃げる準備に追われる里の人間たちが一斉に止まる。


「人は確かに生きることに貪欲であり続ける必要がある・・・。だが、逃げたところでどうする?火の里と同じ様に路頭に迷うか?俺はこのまま死ぬ!守るべき故郷が死ぬんだ・・・。俺も死ぬ!この地で・・・。」


「ガキは逃せ!俺たちは全員ここに残る!!」「お父さんやだよーッ!」「ほら、逃げるよ!あんた!私たちだけでも逃げるの!」「やだよー!!」

信念を貫く男たち、意思を理解する母。つらい別れを強いられた子供たちの声が入り混じってこだまする。


女、子供は一斉に逃げ出した。そして、地に残ったのは屈強な男たちだけ。

「ははっ。隊長・・・。死ぬ猶予が与えられると人は弱くもなるんですね・・・。」

一人が園原に笑いながら話しかけた。


「これほどか・・・。科学の力・・・。そして、大和タケルは何をしようとしている?」


その言葉を最後に誰もが口を閉ざし、ゆっくりとやってくる死に対して待ち続けた。


早乙女基地 管制室。

「空の里、沈黙を確認・・・。」

基地内が一斉に静まり返った。

「すまない・・・。川田一等空士。ここは任せた・・・。」

飯島はトイレへと向かう。



□■

エリア王国。

「大和くん。君のせいで空の里は崩壊した・・・。確かに科学というのはすごいものなんだな・・・。」

「えぇ。分かってもらえればノースアメリカ(アンゴル)への船を出してもらえませんか?」

現在の北アメリカへの船。それを手配する用があったのか大和はどこか余裕げな表情で依頼する。


「バカを言うな!空の民がいなきゃエリア王国の連絡役が居ない。今は紛争がくすぶっている。セルノーツ北でもいつ戦争が起きるか分からないのだぞ?」

「わかっています。」

終戦が目的であると分かっているブラットにとって、この事態は彼の発言とは非常にそぐわなかった。そして、なにより鎮静にどれだけかかるのか。


―この男は何を目指している?



「西中尉。貴方の持つ精神は本当に軍人かな・・・?」

大和はゆっくり歩き、窓に近づく。外から見えるのは強い日差し。


―彼らが来て、1ヶ月。我々は変わり続けた・・・。

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