デルガト陥落2
前日と同じ内容をアップしてしまいました。
申し訳ございません。
ただいま修正いたしました。
たび重なる着弾で荒野となった私の周囲には、獣人傭兵の姿は無かった。
私は、火薬樽と槍を投げ捨てて司令部のある代官屋敷へと向かった。
後ろを振り返ると、テクニカルが城門から続々と入ってきている。
負けだ。
我らの負けだ。
こうなっては、出来るだけ早く降伏して被害を減らさなければ。
代官屋敷に入り、寝室のベッドからシーツをはがして手に取り、それを持って屋敷の尖塔へ登ろうとした。
だが、剣を構えた獣人に阻止された。
この戦は負けだ。
このまま戦っても被害が増えるだけだ。
そう訴えたが、殴り倒された。
獣人は『もとより我らは捨て駒だ。できるだけ時間を稼いで全滅する事が役目だ』と言い捨てる。
やはり、我らは騙されていた。
それならば。
そうであるならば、不法に兵をあげて我らを成敗に来た末姫様は、どうなのだ?
彼らの話が嘘であれば、正道をなそうとしているのは末姫様の方ではないのか!
なんて事だ。私は、私たちはなんて事をしてしまったのだ。
パンと、何かが弾ける音がした。
目の前で獣人の頭が弾ける。
銃を構えた敵兵が……いや、末姫様の軍勢が到着したのだ。
いましばらく、私は命を永らえたが。
この命は、直ぐに捨てなくてはならないだろう。
それ以外に、道は無い。
一度、物陰から獣人傭兵が切りかかってくるが、末姫様の兵を身を呈して私を庇い自らが刃をうけてしまう。
何故、そんな事ができるのか?
「俺も平民さ。鉱山夫だった」
傷ついた兵は、笑いながら答える。
我らと同じ平民が兵隊になる。
平民が兵隊になれる。
その意味が、はじめて分かった。
末姫様は、いたずらに平民を集めて武器を与えたのでは無い。
その意味が分かっておれれる方なのだ。
私は、なんと……
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「私は、なんと愚かな事をしてしまったのだと……その時にやっと分かったのです」
南部自治団頭目は、床板をかきむしるようにしながらボタボタと涙を流した。
「良くわかったぞ。正直に話してくれた事には感謝しよう」
そお言いながら、私は鞭を手放して傍らの手から剣を取り、鞘をはらった。
「では、賊の頭目よ。名を名乗れ」
一瞬だけ頭を上げた男は、直ぐに土下座して。
「ポール・ウェイトでございます」
と答える。
「では、ポール・ウェイトに沙汰を申しつける」
私は剣を構えた。
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