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大砲姫  作者: 阿波座泡介
デルガト半島動乱編
95/98

デルガト攻略8

代官屋敷の中。

代官の執務室と思しき部屋に入ると、そこには射殺された複数の獣人兵が転がっている。

他には、床に跪いて両手を頭の上で組む南部流民らしい数名の男。一人は殴られたのか頬が腫れている。

それらを取り押さえたとおぼしき平民兵士は銃を構えたままだったが、もう一人の平民兵が敬礼をする。その兵は軍服が破れて血が滴っていた。

「その者は大事ないか?」

私が尋ねると。

「かすり傷であります」

と、意外に元気な返事があった。

「御苦労であったな。下がって手当てをせよ」

「はい、姫殿下。交代が来ましたら下がらせていただきます」

短銃で武装した兵が入ってきて敬礼をする。

負傷した兵は、敬礼をして下がる。


この短銃は、ユーイル小銃をライフル化したユーイルライフル銃を騎兵銃とする為に改良したものだ。

銃身を短くし、ストックの形状を変えてある。

これにより、馬上での操作が容易になった。

室内や塹壕内での戦闘でも有用そうなので、平民軍の一部も装備している。


その後に、少尉の階級章を付けた男が入ってきて敬礼をして報告をはじめた。

「報告します。代官屋敷の制圧完了を確認しました」

「うむ、御苦労であった。して、賊の頭目はだれか?」

私が、周囲を見渡すながら問うと。

「私でございます」

と、頬を腫らした男が答えた。

後ろで控える警備の兵が銃を構えなおしす。

「ほほう。賊と言われて答えるとは、少しは自覚があったのかな?」


ちなみに、私の今日の装いは乗馬服である。

もちろん手には、指揮杖代わりの乗馬用の鞭がある。

手のひらの上で鞭を軽く鳴らす。


「我らは、本当にわが身を守るに精一杯で、ただ夢中でありました。御領地をお騒がせした事は、誠に申し開きの出来ない所業でございました。」

頬を腫らした男は、意外にしっかりと話し出した。

もしかして、以前は宮使えとかやっていた人物かもしれない。

「図らずも行ってしまいました御領地簒奪の咎も、私が受けます。いかような処分もお受けいたします」

図らずねえ。

気が付いたら領地簒奪してましたってか?

「そんな言い訳が通じるとでも?」

「通じないでありましょうな」

そう言いながら顔を挙げた男には見覚えがあった。

先のカトチャ村での交渉に代表として来ていた男ではないか。

あの時の、追い詰められた表情は無く、なにかサッパリとした雰囲気である。

「ですが、出来ましたれば私の首一つでご勘弁いただきたいのです」

「その言葉、先のカトチャでの話し合いで聞きたかったぞ」

「今思いますと……まことに、その通りでございました」

「この戦の差配は、おぬしが仕事か?」

「戦など……畑違いで、勝手も分からん者でございます」

「しかし、デルガトの簒奪は、なかなかに出際が良かったではないか? この城の改修も、見事と褒めてやるぞ」

「その言葉は、そこに倒れている獣人に贈ってやってください」

やはり、そうか。


「おぬし、傀儡の首領であったか?」

「ただの案山子でございます」


予約掲載を使い、毎日昼の12時にアップするようにしています。


誤字報告を受け付ける設定にしました。


誤字脱字などございましたら、お知らせくだされば幸いです。

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