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大砲姫  作者: 阿波座泡介
デルガト半島動乱編
93/98

デルガト攻略6

砲台場にユーイル榴弾砲が設置完了した。


ほぼ同じ頃。

ガルムントから遅れて出発してきた三号指揮車がカトチャ村まで来た。

さて、攻勢の準備が整ったな。


三号指揮車はMS03を元に通信機能を強化した指揮専用車両だ。

装甲は無いがMS04より大型の蒸気機関で発電機を回し、有線通信の基地機能を搭載している。


随伴の荷車から電信線が下されて、観測所などと指揮車を繋ぐ工事がはじまった。


ここからは時間との勝負である。


加工された材木が瓦礫の人工島に運ばれ、アッと言う間に観測櫓が組み立てられる。

同じような櫓がチャート岩山山頂にも組みあがれられた。


ほどなく、電信線が繋がれて。


「観測所アルファーから入信あり」

「同じく観測所ブラボー入信あり」

「榴弾砲部隊チャーリー入信あり」

「機動部隊デルタ入信あり」

「機動部隊エコー入信あり」

「支援砲撃部隊フォックストロット入信あり」

「工兵部隊ゴルフ入信あり」


レシーバーを耳に付けたオペレーターの声が響く。


「全部署、電信が確立! 作戦準備よろし!」

ガートルート中尉の報告する。


私は深く首肯して。

「以後、各部隊はフォネティックコードにて呼称する。では、作戦を開始せよ」


「作戦開始!」

「作戦開始。ゴルフ、発破を開始」


同時に、デルガト城門正面の岩山の数か所で爆発が起こり、チャート岩が崩れる。


「発破確認。フォックストロット前進! 攻撃位置へ!」


チャート岩山に穿たれた傾斜路を二両の四号ちゃんモビルスチームが上り、ゴルフが開けた穴から砲を出す。


「フォックストロット攻撃位置」

「機械弓座を目視確認しました」

「フォックストロット照準よろし」

「チャーリー、予備射撃開始。アルファー、ブラボーは着弾観測を開始せよ!」

「チャリー、予備射撃開始」

「アルファー着弾観測開始」

「ブラボー着弾観測開始」

「フォックストロット砲撃を開始せよ」

「フォックストロット砲撃開始」


デルガト城門正面岩山に陣取ったフォックストロットが砲撃を開始。

城門の数か所で着弾音が響き。土煙が上がる。


そして、チャート岩山からフォックストロットの砲撃とは比べなれない大きな発射音が響く。


チャリーの榴弾砲が火を噴いたのだ。

天を削るような音が、チャリーから伸びてデルガトの方へと消えてゆく。

ほどなく、土煙の花が咲いて、地響きが届いた。


「アルファーより射撃修正入りました」

「ブラボーから射撃修正入りました」

「チャリー修正射を開始」


再びチャリーから轟咆が響く。


「アルファーより、射撃を有効と判断」

「ブラボー、射撃を有効と判断」


「チャリー効力射撃開始!」

「チャリー効力射撃を開始せよ」


先ほどまでの、間延びした砲撃から一転して連続して轟咆が響き、地響きも絶えない。


「フォックストロット、機械弓座の破壊を確認」

「デルタ、城門を制圧せよ。エコー、デルタを支援せよ」

「デルタ前進。城門を制圧せよ」

「デルタ了解、前進します」

「エコー、デルタを支援せよ」

「エコー了解、デルタに続きます」


「フォックストロットにデルタ・エコーの支援をさせよ」


「フォックストロット、デルタ・エコーへの支援砲撃を要請します」

「フォックストロット了解」


「リフォーマーより発光信号」

「読みあげよ」

「デルガトより出港する船舶あるも撃沈せり。当艦に被害なし」

「了解、感謝する。と、返信じゃ」

「了解しました」


「デルガト城壁より発光信号です」

「読みあげよ」

「釜の蓋が開いた。です」

「うむ、了解した」

デルガト城内に潜入している密偵からの信号だ。

どうやら、作戦は順調らしい。


「チャリー、予定砲撃終了しました」

「了解した。頃合いであるな」

「はい、姫殿下」

横に立つガートルート中尉が首肯して、私の下令を待つ。

「平民軍主力をデルガトへ突入させい!」

「前進せよ!」

ガードルート中尉が発令すると、狭い街道に列をなした四号ちゃんMSと銃を抱えた兵士がデルガトへ向かって前進をはじめた。


この時点で、我々は勝利したのである。



まあ、たぶんではあるが……


予約掲載を使い、毎日昼の12時にアップするようにしています。


誤字報告を受け付ける設定にしました。


誤字脱字などございましたら、お知らせくだされば幸いです。

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