7、戦士達の午後
「なんだか今回、ぜんぜん活躍できなかったですぅ」
はるかが泣きまねをしながらぽてちをつまんだ。
物理準備室に戻ったアースレンジャーの面々は、反省会の真っ最中だった。
テーブルの上に広げられたおやつと、ジュースの紙コップ。
「新たな敵の登場かー。おもしろくなってきたな!」
明はぼこぼこにされたくせに、もうすっかり元通りになって笑っている。
「お前はどっか、武術系の部活に参加して修行した方がいいんじゃないか?」
大地が明のおでこを拳でこづく。
「修行か~、修行な~。修行~……めんどい」
「努力と根性だ!」
大地が拳を握り締めてポーズを取る。
「修行で新しい必殺技習得する展開とかは燃えるよな!」
明がびしぃっ、と天を指差す。
「どんな必殺技にするですぅ?」
「そりゃやっぱりどかーんってかんじの。ああ、今日ユカユカがやってたアレ、かっこよかったな」
明が右手をアッパーのように振り上げる。
「EX昇竜拳みたいなあれすごかったな。靴おとりにして上向かせて、思いっきりアッパーとか女の細腕でよくやるよなー」
「ゴジラの中身、ターミネーターなんじゃねーか?」
大地がつぶやいて、あはははと皆で笑う。が。
……ふいにぴたりと全員が口を閉じる。
「正直、今までららら団と戦ってきたけど、ユカユカがあんなに強いとか知らんかった」
明がため息を吐いた。
「俺も。今まで手加減されてたってことだよな、くやしいぜ」
大地が拳を握り締める。
はあ、とそろってため息をはいたところに、「編集できましたぁ」とかなたがDVDを片手にやって来た。
「よーし、とりあえず上映会だな」
気を取り直したように明が言い、大地がうなずく。
「編集しちまえば、どんな戦いしても俺達の勝ちだしな……」
「それは言っちゃだめですぅ~!」
あはは、と乾いた笑いが部屋に広がった。