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もうひとつのリハビリ ラブ
シオリの彼氏となったタカノリ。
ここからは、タカノリ視点の物語。
「ほーら 言ったでしょ?」
マスターが フフと笑う。
「僕の予想は、予言なんだよ」
マスターが言うのは、今から一年以上前のことだ。
初めてシオリを店に連れて行った後
マスターは、「大林くんは、あの子の事 絶対もっと好きになるよ」と言い切った。
そのとき俺は、さあ どうだろうな と首をかしめるだけの返事をしただけだったが。
「僕は、嬉しいよ。
大林くんが、女の子と一緒の生活を送る気になってくれて」
そうも心から安堵されると、嬉しいが くすぐったい。
「大林くん、明るくなった。」
シオリのおかげ? なら、違うと思うが。
「違う、違う。このごろの話」
一昔前の大林くんは、怖い顔してた。と、マスターは笑う。
「そうかも、な」
今度こそ、都合が悪くなった俺は、目の前のカクテルを一気に飲み干した。
「また1杯ほしいな、同じくジンベースで何か、ない?」
今夜は飲んでも問題ない。
彼女が、車で迎えにくるから。