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はしばみ転がった
「では、ここに立って。この小瓶を持って。目を瞑って。あなたが小瓶に詰めたいモノを思い浮かべて……」
私はサンドラに促され、まず最初に忘れたい嫌な事、今までの嫌な記憶を思い浮かべた。よく見たことがないのでよくわからないけど、姿は変えたほうが良いのだろうか?
「あなたのこれからの姿については、ワタシが少し手伝ってあげましょう。そうね、髪の色はダークブラウンから明るい茶色にしましょう。瞳の色はハシバミ色に。頬にはえくぼを……」
私がぼうっと立っていると、今までの記憶がだんだんぼやけてきて、代わりに魔女の弟子としての記憶がすぅっと入ってきた。
気がつけば魔女の弟子としての私がいた。
「あなたの名前は、瞳の色から取って、ヘーゼル。ヘーゼルにしますね」
ヘーゼル……。私の名前だ。うれしい。何故かそう思った。
魔女は私から小瓶を取り上げ、封をした。
「さあ、ヘーゼル。これからもよろしくお願いするわね」
「はい、サンドラ!」
私は魔女の弟子だ。もう何も心配することはなかった。
その時、ヘーゼルの小瓶はキラキラと輝き始めた。




