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【全年齢版】部長と私の秘め事  作者: 臣 桜
副社長、秘書としての新生活

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今後の予定

「テンション高ぇな」


「だって! 神くんと春日さんに春が訪れたんですよ!? 春日だけに! ヒヒヒ!」


「マジか」


 それについては尊さんも驚いたみたいで、興味深そうな顔をしている。


「も~、春日さんがクネクネしてて乙女で可愛いんですよ。割れた腹筋を晒してサンドバッグを蹴っていたあのファイターが!」


 私の盛り上がりようと言い方がおかしかったのか、尊さんはとうとう笑い出す。


「ファイターって」


「それで、恵とエミリさんと三人で『うまくいったらいいね』って話して盛り上がっていたんです」


「そっか」


 尊さんは穏やかに笑い、私の頭を撫でるとチュッと頬にキスをする。


「……尊さんは〝野暮用〟はどうでした?」


「あー……」


 彼は一瞬宙に視線を泳がせ、何を言うか迷っているようだった。


 そのあと、穏やかに微笑むと私の頭をわしわしと撫でる。


「三日後くらいに言うよ」


「なんで三日後?」


「寝かせたら美味くなる?」


「なんですかそれ」


 私はクスクス笑い、神くんと春日さんの事をまた話し始めた。




**




 四月に入り、私は副社長秘書として働き始めた。


 どんな仕事をするかは事前にエミリさんが纏めた分厚い資料を見て、大体の事を頭に叩き込んでいる。


 大雑把に言えば、秘書は副社長のあらゆるサポートをする係で、スケジュールを組むために各部署から連絡を受けて調整したり、出張するにもホテルや会食のためのレストランをアテンドするなど、多岐にわたる。


 会食をするにも相手の趣味嗜好やご家族についても調べ、円滑な会話ができるように準備する。


 副社長ともなれば責任が重くなるから、うっかりした一言で地雷を踏み抜いたら大変だ。


 尊さんは細やかな性格の人だから、失言はしないだろうけど、思ってもみない事が地雷になる場合もあるから、入念に調査する必要がある。


 副社長就任にあたって取締役会、株主総会での決議は済んでいて、法務局での登記の変更、登記簿の発行、その他諸々の名義変更は四月一日付で更新するようになっている。


 異動の発表時に、社員は新社長や新副社長が誰になるか分かっているはずだけれど、改めて社内通知をする他、取引先への通知、HPの記載なども済ませておく。


 大株主や大切な取引先には、社長、副社長交代の挨拶状をいい紙に印刷し、総務部の人たちがひたすら折って封筒に入れ、郵送する予定だ。


 加えて就任パーティーも予定されているので、準備委員会の人たちと連携して色々決めていかなくてはならない。


 予定では都内の高級ホテルの大ホールを使って社員、来賓を招待し、挨拶やら祝辞、鏡割りののちに乾杯して、飲食しつつ芸能人を招いてショーをしてもらうなど、かなり大がかりなものになる予定だ。


 招待する人たちは大株主にメインバンク、主な取引先相手や関連会社、下請け会社の役員、マスコミに飲食関係の業界紙の記者、同業会社の役員たちなどだ。


 本社の社員も参加できるけれど、格式張った所は苦手という人もいるので、事前に参加か不参加かを聞いておく必要がある。


 うちの会社に関しては亘さんや怜香さんの不祥事があったばかりだから、交代してすぐに華々しくパーティーするのは不謹慎だから……という事で、GWが終わって落ち着いた頃、株主総会のある六月中旬に行う予定だ。


 本来なら就任パーティーは、交代してから遅くても一か月内には行ったほうが好ましいのだけれど、マスコミも招待する以上慎重に動くべきだと風磨さんが判断した。


 招待客のためにホテルの駐車場を確保したり、記念品を用意したり、会場にカメラマン席を用意するなどの用意もしつつ、経理部にはしっかり予算の確認をしてもらう必要がある。


 新生活になり、副社長づきの運転手、鉢村一史(はちむらかずふみ)さんが行動を共にするようになった。


 四十八歳の彼は無事故・無違反のベテラン運転手で、風磨さんの運転手のツテで紹介してもらった人らしい。


 鉢村さんは温厚そうな礼儀正しい男性で、役員の運転手として働いた経験があるので、口も固く信頼できる人だそうだ。


 風磨さんは社長、尊さんは副社長に就任して早速役員会議で挨拶をし、今後の指針などを打ち合わせたあと、その日は役員のみで挨拶代わりの飲み会をする事となった。


 これも事前に言われていたので、私はエミリさんと協力して銀座の個室のある料亭を予約し、会長の有志さんや役員、他の秘書たちと共にお上品な懐石料理に舌鼓を打つ。


 ありがたかったのは、お酌をしたり気を遣わないといけないかと思っていたけれど、有志さんがそういう風潮を嫌い、「酒が飲みたかったら自分で」という方針を貫いてくれた事だ。




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