第四十四話 エリーザ、ウィルの到着を心待ちにする
ウィルが三国ピザに舌鼓をうっている同じころ、エリーザは朝露がキラキラ眩しく光る勿忘草の丘にいた。そして、街道を見つめていた。リヒテル王国は山に囲まれている立地を生かし、王国へ入国する街道は一か所のみであった。
「ウィルはあと数日でこの街道を抜けて入国するのね。会ったら何を話そうかしら?お兄様たちと同じ寮生になるのよね。私も寮生になりたかったわ。でも、ウィルに会いたいからという理由では許可できないとお父様に言われてしまったのよね。。。。。
これまで、寮に入りたいと思ったことがない私が急に言ったら、お父様だって許してはくれないわよね。
だから、コンクールで賞をとって、特待生になれるように頑張るわ!
ウィル、待っていてね!」
エリーザは勿忘草の丘で誓った言葉をつぶやいた。
「自分を信じる。
あなたを信じる。
苦しいことも、悲しいことも、
二人の気持ちが一つになれば、
必ず幸せになれる。」
ウィルはどんな演奏をするのかしら?
ピアノが得意なら伴奏をしてもらいたいわ。
作曲が得意なら、私のためにアリアを作ってくれるかしら?
ウィルは、ティアナ王国で辛い思いをしていたから、リヒテル王国で幸せになるために、
私が信じてあげるわ!
ウィルは世界で一番素晴らしい人なのよ!」
ウィルに届くように、美しいソプラノの歌声で祈りの歌を歌うエリーザ。
ウィルは馬車に揺られながら、窓の外を見た。
そよ風の中にエリーザの歌声を感じたように思えたからだ。
「エリーザ、待っていてね。もうすぐリヒテル王国へ到着するよ。」




