表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/45

第二十九話 ウィル、父王ヘンリーに呼ばれる

ウィルは地下室で妖精たちと歴史書を読んでいるとき、侍女がドア越しにウィルへ伝えてきた。

「ウィル様、父王、ヘンリー王がお呼びです。至急、執務室へお越しくださいとのことです。」

ウィルは慌てて支度をした。

いつもは、誰にも気にかけてもらえないから、何も考えずに着替えているが、父王の執務室へ行くなら、そうはいかない。

妖精達の力を借りて、ウィルは先日の青月祭へ着ていった礼服に身を包んだ。

「妖精さん、ありがとう。皆のおかげで自信がついたよ。

お父様に呼ばれる理由は全く思いつかないけど、頑張ってくるよ。応援していてね。」

ウィルは以前とは違い、しっかりとした足取りで執務室へ向かった。

途中、近衛兵が近づいてきて、会釈をし、ウィルを執務室へ案内してくれた。

これまで、「もぐら」と言って馬鹿にしていた近衛兵達の態度もすっかり変わった。

ウィルはエリーザの言葉を思い出し、心の中でつぶやいていた。

「自分を信じる。

あなたを信じる。

苦しいことも、悲しいことも、

二人の気持ちが一つになれば、

必ず幸せになれる。」

そして、そっと、上着のポケットに手を入れ、リボンを握りしめた。

エリーザからもらったリボンだ。

遠く離れていても、この言葉とリボンのおかげで、ウィルはエリーザを感じていられた。

それだけでも、強くなれる気持ちになった。

執務室の前に到着した。

この思い扉の向こうには父王、ヘンリー王が座っているはずだ。

実の父にも関わらず、ほとんど会話をしたことがないため、ウィルは言葉を発することが出来るのか心配になってきた。

もう一度、リボンを握った。

「エリーザ、僕、強くなるよ。」

もう一度心の中でつぶやき、目を上げた。

扉にはティアナ王国の紋章が掘られている。

月桂樹の葉で囲まれたフレームの中に獅子が正面を見ている。

ウィルは獅子と目を合わせた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ