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その87

お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。

蒸し暑さが増してきた。

僕らは、ギュッと両手で太い綱を握りしめた。

大丈夫。

イケる。

勝てるに決まってる。

僕らは全員、自分達を信じた。

先ほどと同じ要領で構える。

真ん中の赤い印を踏んでいるイケちゃんの足が離れると、「位置について、よ〜い、はじめ!」と共に笛のピーッ!

「もー!イエス!もー!イエス!」

掛け声に合わせて、体を後ろに後ろに倒していく。

「もー!イエス!もー!イエス!」

頭から噴き出た汗が、鉢巻を通り越して目に入る。

僕の目が片方見えなくなった。

けれども、構わず、僕は今出せる力を全部出しきる気持ちで、握った綱を両腕で引っ張る。

じわじわと後ろに下がるのと、じわじわと前に引っ張られるのを何度か繰り返した。

もうこれ以上絶対前には行かない。

これ以上引っ張られるのは、絶対に嫌だ!

強い気持ちが、僕の力に変わった。

その瞬間、イケちゃんの「やめ〜い!」と笛がピーッ!

試合終了。

再びしゃがんで判定を待つ。

今回はどうだろう?

自分では随分後ろに引っ張ってる感覚があったけれど、何度か踏ん張っている足元がずりずりと前に滑ったのも事実。

勝てるか?

僕達は両手を合わせ、祈った。

ん?

なかなか判定が出ない?

なんで?

きつく瞑った目をそうっと開けると、先生達が何やら真ん中に集まっている。

待っている時間が、やたら長く感じられた。

どうやら話し合いが済んだ模様。

深く深呼吸をしたイケちゃんが、大きな声で「え〜!只今の結果…赤の1組の勝ちとする!」

わ〜!わ〜!わ〜!わ〜!


決勝戦はなかなかの接戦だったそうで、真ん中の赤い印が、下に引かれた線の上でほとんど動いていない様に見えたらしいが、先生達が集まってきちんと確認した結果、僅かに僕ら1組の方に印が寄っていたとのこと。

そんな僅差だったなんてと、みんな驚いた。

綱引きは優勝できた。

残る戦いは騎馬戦と、全員リレー。

その前に、腹ごしらえの昼食タイム。

早速、約束通りに焼き鳥10本と、あんバタークロワッサン、それに鉄火巻き1本をクラス全員が受け取った。

その場で全部食っちゃう馬鹿もいたけれど、みんなそれぞれ持参したお弁当があるので、それを食べて、もらった豪華な景品は来ていた家族に預けるなどして、午後からの競技に備えた。

最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。お話はまだまだ続きますので、引き続き読んで頂けたら、とっても嬉しいです。どうぞ宜しくお願い致します。

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