その81
お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。
テレビの天気予報で、オレンジ色のお日様のマークの横に、水色の傘のマーク。
どうやら午後から天気が急変するらしい。
窓から外の様子を伺うも、お日様がピカピカしていて、とてもそんな素振りには見えない。
3時間ごとの予報では、15時あたりから夜まで傘マーク。
それでも降水確率は50%だから、僕は「大丈夫でしょう!」と思った。
母は朝早くから、張り切ってお弁当を作ってくれた。
「中学最後だものね〜!頑張って!」
そう言われると、僕も気が引き締まった。
昨日のうちに、学校指定のTシャツの前後にばっちり名前を書いたゼッケンが縫い付けられている。
お母さん、ありがとうと思いながら、よくよくゼッケンをみると、縫い付けてある白い糸で「錦がんばれ!」と刺繍。
よくよく近くで見ないと、わからない様にしてある。
白地に白い糸だから。
や、や、や〜…嬉しいけど…嬉しいし、頑張るけどさ〜…
絶妙な母のデリカシーのなさに、折角入った気合いも少しヘナヘナと力を落とす。
「いってきま〜す!」
なんとか自分を奮い立たせて、家を出た。
青い空に白と薄いグレーの雲が覆い被さっている。
僕は天気が幾らか気にはなったが、今日の決戦を思い出す。
走って登校すると、途中から合流したクラスメイト達も、やっぱり何故か走っていた。
「おはよう!今日頑張ろうな!」
「住田君!おはよう!いよいよ今日ね!」
みんなもこの日を、待ちに待ってたようだ。
そんなのがなんだか清々しくて、とても嬉しかった。
開会式が終わると、早速競技開始!
1年生から順番に、100メートル走。
僕は今年こそ3位以内に入りたいと、目標を定めていた。
去年も、一昨年も惜しくも4位。
しかも、本当に接戦での4位だから、悔しさもひと塩。
けれども、今年はイケる自信があった。
部活を引退した後、ダブルヤマシタ問題でモヤモヤして走ってスッキリしてから、毎日少しづつ走る練習をしてきたから。
クラスでのリレーの練習もちゃんと全部出たし、ゴロゴロローラーも37回もできる様になった。
だから、今度は大丈夫。
3位以内には入れるはず。
一緒に走るメンバーも、ちゃんと確認してある。
僕に、同じクラスのベルウッドこと鈴木に、違うクラスの元野球部の湯川、元卓球部の室田、元囲碁将棋部の八重樫に、元陸上部の水島と元サッカー部の須田川。
特に、元陸上部のエースだった水島は、早い早い。
すばしっこいなんてレベルじゃない。
それにサッカー部の須田川も、なかなかの足の速さ。
そらそうだよ、サッカー部だったんだもん。
元野球部の湯川が…微妙だ。
確か去年もほぼ同じメンバーでの競争で、僕と3位争いをしたのが、湯川。
男ヤマシタとバッテリーを組んでた、野球部のエースピッチャー。
こいつには負けたくない。
なんかわかんないけど、どうしてもこいつにだけは負けたくないのだ。
緊張感が走る中、いよいよ僕の出番となった。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。いつの間にか評価もつけていただき、本当にありがとうございました。嬉しくてちょっと泣いちゃいました。お話はまだまだ続きますので、引き続き読んで頂けたら嬉しいです。
どうぞ宜しくお願い致します。




