その76
お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。
「やあ!買い物?」と坂口さん。
「あ、うん。」と答えながら、なるべく坂口さんの顔を見ない様に気をつけて下側を見る。
だって、今着てるTシャツが、超恥ずかしいから、顔を合わせたくなかった。
だけど、彼女もまた授業で縫った半ズボン。
「あたしもなんだあ、奇遇だね。」
「そ、そうだね…あ、じゃ…また、明日ね。」
僕は下を向いてそそくさと店を出た…のに、坂口さんったら、一緒について来ちゃう。
「え?あ…坂口さんも…帰るの?」
「うん!」
「そっか…」
それ以上、僕は何も言葉が出てこなかった。
「住田君、ズボンいいね!」
「あ、ありがと…坂口さんのズボンも、なかなかいいね!似合ってる…と思う。」
「そう?わあ、嬉しい!Tシャツもお揃いにしたんだあ、見てみて!」
テンションが高い坂口さんに促され、僕はようやく顔を上げた。
坂口さん、「轟け!不屈の魂!大将軍」の黒王丸がババーンとでっかく描かれた、ピンクのTシャツに、下は授業で縫ったピンク地に黒王丸が沢山散りばめられた柄の半ズボン。
足元のサンダルも、同じくピンクで甲を覆う部分に「轟け!不屈の魂!」って書いてある。
す、すごい!すごすぎる!
Tシャツの後ろ側も見せてもらうと、後ろもババーンと馬の姿の時の黒王丸が、「ヒヒーン!」って叫んでる。
前側の、人の姿の黒王丸の「我が命!親方様に捧げ申す!」って台詞も、なかなかの迫力だけど。
「す、すごいね!ぜ、全部、お揃い、なんだ…あはははは…。」
「えへへ、ありがとう!Tシャツとサンダルは、結構前に買ったやつなんだ〜!だから、どうしても、このお揃いの生地で半ズボン作りたかったの。」と坂口さん。
そっかあ。
そうだったんだ〜。
「じゃあ、明日、学校でね!」と僕。
坂口さんったら、「じゃあね!バイバ〜イ!」の後、「住田君のゴルフ大会のTシャツもいいね〜!」って大声で…。
や…やめてよ〜…それは…言わないでよ〜!坂口さんよ〜!
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。お話はまだまだ続きますので、引き続きお読みいただけたら嬉しいです。どうぞ宜しくお願い致します。




