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その73

お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。

夕暮れ時、走り始めると、途端に風の気持ちよさに気づく。

家を出る前、ゴロゴロローラーと腹筋で、全身がホカホカしているから、余計に風が嬉しく感じる。

母に頼まれたおつかいは、ぐるっと走って最後に家から一番近くのドラッグストアで買えばいい。

そうなると、僕は少し遠回りになる河川敷を目指した。

女子のヤマシタさんが、別れた、男ヤマシタに謝ろうと決心したあの土手。

あの時のことを思い出すも、ヤマシタさんと坂口さんの、あのちょっと僕にはわからない感じの2人のやりとりではなく、「行こう!」っていきなり坂口さんが僕の手を掴んだ、あのことばかりが僕の中でいっぱいになった。

なんで坂口さん、急に僕の手を掴んだってのか、手、繋いだんだろう?

きっと…多分…彼女のことだもの…ホントにただの勢いだったんだろうなあ。

あの前は、一体いつ、女子と手、繋いだっけ?

どうでもいい回想とわかりつつ、何故かどうしても思い出したかった。


土手の道の向こうから、人が2人、走って近づいてくる。

この場所を走る人は、結構いる。

だから、それほど気にしていなかった。

それより何より、僕にくどく巣食うモヤモヤを、一刻も早く払拭したいだけ。

その一心で、僕も走っていた。

徐々に近づいて来るあっち側が、誰かわかった。

男ヤマシタと、後ろに2年の女子の倉田さん。

「お〜う!ヤマシタ〜!」

「ああ、住田!」

速度を落として軽く挨拶を交わすと、「じゃあな!また、明日!」なんて笑顔で別れた。

倉田さんとは初めてちゃんと会ったけれど、テルが言ってた通りの可愛い女子だった。

女子のヤマシタさんとは違い、髪はだいぶ短くしているけれど、それでも女の子っぽい人だった。

2人でトレーニングをしてるとは聞いていたけれど、実際、本当に2人で走ってるところに出くわしたのは初めてだった。

一瞬、女子のヤマシタさんの泣いた顔が、脳内を通り過ぎた。

息が上がったまま、立ち止まって振り向くと、たった今すれ違ったばかりの2人の後ろ姿が、だんだん小さくなっていった。

僕は、男ヤマシタと倉田さんの2人に、全然違和感を感じなかった。

何故だかわからないけれど、ずっと前からああやって2人で走っていたんじゃないかって、思ってしまうほど。

あんなに、ダブルヤマシタがお似合いのカップルって信じていたけれど。

そんなこともなかったんだって、わかった。

最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。お話はまだまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

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