その7
前回の続きです。
僕は自分のことを「僕」と言いたい。
いつだったか忘れてしまったけど、テレビに出てたどっかの偉い教授のおじいさんが、自分のことを「僕」と言っていたのを見て、なんだか妙な感動を覚えたから。
その後にも有名な小説家の人や、画家や彫刻家なんかの芸術系の大人の男の人が、こぞって自分を「僕」と言っていたのが素敵に思えた。
だから、僕も「僕」と言いたい。
自分を「僕」って言うのを貫きたい気持ちでいっぱい。
なんだけど。
なんだけどさ。
やっぱり友達の前とか、家族の前なんかでは、ついついカッコつけちゃって自分を「俺」って言っちゃう。
カッコつけちゃって…もあるけど、本当は「僕」って言うことで、馬鹿にされたりしないかが気になってしょうがないから。
だから、仕方なく皆に倣って「俺」を、無理して使っている。
きっとテルとか、ましてやヒロキの前で「僕」なんて言おうものなら、すぐさまぷーって吹き出して笑われるに決まってる。
そう言うのが別に気にならない心臓の持ち主ならまだしも、僕はどちらかと言えば小心者で、ノミの心臓だから。
笑われたり、馬鹿にされると、深く深く傷ついちゃうタイプだから。
まあ、泣きはしないだろうけど。
恥ずかしくて、穴に入りたいかも。
僕はだから、「僕」と「俺」を上手いかどうかはわからないけど、使い分けている。
でも、でも、本当は僕は「僕」って言いたいの!
言いたいったら、言いたいの!
僕の心はモヤモヤしていた。
そのモヤモヤを解決するべく、僕は部屋の天井目がけて何度もジャンプを試みた。
だけど、心に描いた様に上手く飛んで天井にタッチすることもなく、虚しくドタンと背中から床に落ち、要らぬ痛みを生じるのだった。
最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。
まだまだ続きますので、引き続きどうぞよろしくお願い致します。




