その68
お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。
テルはさらっと続ける。
「ニッキもさあ、坂口さんのこと、気になってんでしょ?」
「は?今、なんて?」
「だ〜か〜ら〜、ニッキも坂口さんのこと、気になってんでしょ?」
「え?べ、別に…全然…。」と僕。
「だってさ〜、半ズボン作ってる時とかさ〜、坂口さんの方ばっか見てたから。」
確か前にもテルに言われたっけ。
「そ、それは〜…テルの勘違いだと思うけど…。」
僕は苦し紛れにそう答えた。
だって、自分じゃそんなつもりなんて、全くなかったんだから。
テルがふ〜んの後、思い出した様に話を戻した。
「あ〜、なんかね、秋田さんから聞いたんだけど、坂口さん、絵とか裁縫とかものすごく苦手なんだって。」
あ〜、だからか〜と思った。
半ズボンの授業中、人のことは言えないけれど、坂口さんもだいぶ苦戦していたのを覚えている。
「それなのに、お守り、手に何回も針を刺しながら、一生懸命縫ったんだって。あのお守りのデザインも、自分でしたって言ってた。」
そう…だったんだ…あの目つきの悪い、ニセモノっぽいパンダの絵。
あれ、坂口さんのデザインだったんだ。
あ、そう言えば、坂口さん、大好きな「黒王丸」の絵が上手に描けないって言ってたなあ。
僕はあのお守りはてっきり、やる気なく適当に作ったもんだと決めつけていた。
でも、本当のところは、僕の為に一生懸命ひと針、ひと針縫ってくれてたんだ。
そんなこと、全然知らなかったな。
坂口さんも、言ってなかったし。
今まで何となく彼女のことを誤解していたかもしれない。
そう思うと、僕はなんだか坂口さんに、とても申し訳ない気持ちになった。
テルは、秋田さんの気持ちにとっくに気づいているだろう。
ただの「推し」仲間なんて言ってるけど、「アンニョン11」以外の話も聞いてるんだものね。
女子として「好き」までいかないにしろ、「嫌い」では決してないって感じなのかも。
僕も同じだ。
坂口さんのことを女子として「好き」って感じじゃないもの。
だけど、全然嫌いでもなく。
なんだろう?この気持ち。
ホント、なんだろう。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。お話はまだまだ続きますので、引き続き読んで頂けたら嬉しいです。どうぞ宜しくお願い致します。




