その67
お話の続きです。
どうぞ宜しくお願い致します。
ダブルヤマシタが別れて数日経った頃、男ヤマシタが2年の女子に告白されたと聞いた。
「えっ!嘘っ!」
「ホントだって。」とテル。
「なんかさ、すんげ〜可愛い女子なんだって。」
「えっ!可愛いって…。」
僕は(ヤマシタさんより?)って聞こうとしちゃった。
それを察したテルが、「まあ、好みだからねえ〜。」と返した。
「そっか…で?それからどしたの?」
「ん〜…そこまでは、俺も知らないんだよねえ。」
「そ、そうなんだ…そっか…へえ…そっか…ヤマシタ、カッコいいもんなあ…俺がもし女子だったら、絶対惚れちゃうもん。」
僕がそう言うと、テルも「あ〜、わかる〜。」と答えた。
テルもヤマシタがどう返事をしたかは知らないけれど、「好きです!受け取ってください!」って、手作りクッキーをもらったと言うのは、誰かから聞いたようだ。
「えっ!手作りクッキー…いいなあ、手作りクッキー…。」
僕はそういうのをもらった試しがない。
すると、「手作りなら、ほら、お守りマスコット、もらったじゃん!」とテル。
僕は自分のリュックにつけている、坂口さんからもらったそれを見た。
「や、もらったけど…これは〜…。」
「秋田さんから聞いたんだけどさ〜…。」とテルが話し始めた。
なんでも、お守りマスコット作りを提案したのは秋田さんだそうで。
それはそうだろうねと思った。
最初は坂口さん、全然乗り気じゃなかったらしいけれど、秋田さんがテルに作るんだったら、自分は絶対僕に作ると言ったって。
「それは〜、いっつもテルと一緒だからでしょ?」と僕。
けれども、テルは首を振って、「だって、一緒ならさ、ヒロキだっているじゃん。」
あ…そうだ。
確かに、ヒロキもだいたい一緒かあ。
「ヒロキに作ったっていいじゃん!もしくは、ヒロキとニッキの2人に作ったって…。」
「そうだけど〜…でも、何で?俺?」
「えっ?それは坂口さんがニッキのこと好きだからじゃない?」
テルがさらっと答えた。
嘘だ!嘘!嘘!そんな訳ないよ!
僕は動揺を隠しきれないまま、テルに尋ねた。
「いや…ないでしょ…それは…。」
「え〜、そうかなあ…そんな好きでもない人に、お守りのマスコットなんてわざわざ作らないと思うけど…だって、めんどくさいし…それに、坂口さん、どうせ作るんなら、絶対ニッキにって言ってたんだからさあ。」
テルの言うことに一理あり。
そうかもしれないけど、そうかもしれないけども…。
僕はそれ以上何も言葉が思いつかなかった。
その時「確か、秋田さんもそれっぽいこと、言ってた気がしたけど…違ったかなあ?あ、ごめん、忘れちゃったよ。」とテル。
え?
確か、秋田さんもそれっぽいこと言ってた?
それっぽいことって?
坂口さんが、僕を好き的な?
マジで?マジで?マジ?本気?マジ?本気?
嘘だ〜!信じられないよ!
ちょっとテルさんよ!そこ、ちゃんと覚えておいてよ〜!
(それっぽいこと)の(それっぽい)って、どう言うことなのか、ちゃんと覚えておいてよ〜!
テルは何気なく話を続ける。
「あ〜、だって、俺らと合流して一緒に帰ろうって言ったの、坂口さんなんだってよ。」
え?
あ、でも、それは、それは〜、秋田さんがテルのこと好きだって知ってるから、気を利かせての提案でしょ?
違うの?
違うの?
僕は秋田さんがテルのこと好きだって言うのを、坂口さんから口止めされてたことを思い出すと、テルに聞くに聞けなかった。
でも、テルの声が頭の中を駆け抜ける。
「絶対ニッキに。」
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。
お話はまだまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。




