その62
お話の続きです。
どうぞ宜しくお願い致します。
僕はテルの「まあ、自分じゃわかんないかもしれないけどさ。」が、脳内でぐるぐるループしていた。
わかるよ!わかるって!だって、僕は僕だもん。
自分のことは、全部承知してますよ!
全部、網羅してますって!
自分のことなのに、「わかんない」なんてないし。
「わかんない」なんて、絶対にある訳ないし。
僕は、坂口さんのことなんぞ、1ミリも気にしてないし。
ただの、本当に、真のクラスメイトで、友達…って、程じゃないと思うけど。
部活を引退してから、何故か一緒に帰ることが多いってだけで。
黙って静かに歩くのもなんだから、何となく話してるだけだし。
向こうだって、きっとそんな感じなはず。
秋田さんみたいに、あからさまに「吉野くん大好き!」じゃないもの。
本当にただの付き添いってだけだもの。
秋田さんとテルが楽しそうにしてるのを、後ろから2人で眺めてるだけ。
僕と坂口さんは、それだけの関係。
「…と、まあ、そんな感じなんだってさ。」
えっ?何?ごめん、全然聞いてなかった…とは言えず、数学の授業が始まったので、僕らは慌てて教室に入った。
男ヤマシタの反対側の端に、女子のヤマシタさんが哀しそうな怖い顔をしている。
こりゃ、相当怒ってるんだ。
2人ともチラッとも相手を見ないのも、すごく不自然で、同じ教室にいるのが何だか息苦しい感じ。
数学の先生も、何となく教室に漂う重苦しい空気を感じ取ったようだ。
その証拠に、先生はいつもカラッとして全然かかない汗を、今日は何故か大量にかいていた。
次の理科の授業の後、女子のヤマシタさんはそそくさと帰ってしまった。
いつもなら、男ヤマシタと一緒で、家までちゃんと送り届けてもらっているそうなのに。
女子のヤマシタさんがいなくなるまで、男ヤマシタはテキストやノートをわざとゆっくりしまっていた。
僕らと理科の森本先生の4人、ヤマシタの傍の席に陣取ると、早速、本人の口からどういうことなのかを聞かせてもらうことにした。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。
お話はまだまだ続きますので、引き続き読んで頂けたらとっても嬉しいです。
どうぞ宜しくお願い致します。




