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その59

お話の続きです。

どうぞ宜しくお願い致します。

配られたテキストは、桜田先生の手書きの説明とイラストがいっぱい。

パソコンで作った正確なものより、僕はどちらかというと、こっちの方が好きだな。

へ〜、桜田先生ってイラストも上手なんだあ。

可愛いうさぎが、語尾に「ピョン」をつけて説明してる。

こっちの小さいネズミは、語尾が「チュー」で、何故かヘビは「ニョロよ」

それぞれ5〜6人づつの班に分かれての作業。

まずは、採寸から。

男子は男子同士で、女子は女子同士でサイズを測ると、テキストの指示に従い、次の工程へ。

どうしてもわからないところや、慣れない作業に苦戦していると、すかさず母ちゃん先生と、桜田先生が助け舟を出してくれる。

生地を切る際や、ミシンで苦戦している際など、補助してくれるのが母ちゃん先生だったら、全然ドキドキしない。

ただ、先生のデッカい胸や腹が腕や肩、背中などに当たるのが、ものすごく嫌なだけ。

けれども、「裸エプロン」状態の桜田先生が傍に来て、手取り足取り教えてくれるとなると、男子は頭のてっぺんからピーって蒸気を吹き出すほどエキサイティングしちゃって。

僕も危うく「鼻血」チームの仲間入りするところだった。

母ちゃん先生は揚げ物の様な匂いがしてるけれど、桜田先生は何とも言えない、爽やかな香り。

…って、変態か!

あははははは。

あれこれ色々苦戦したけれど、なんとかこんとか時間内に形になった。

生地の裁断や、ミシンがけにも苦労したけれど、案外大変だったのは、最後のゴム紐を通す作業だった。

一人一人に配られたそれが、なかなか上手に通らなかった。

出来上がった半ズボン、男子は制服の上から履いてみたり。

手際よくパパッと早く縫い終えた女子は、余った布で巾着や手提げなど勝手に作っていた。


授業の最後に、桜田先生からの挨拶。

「え〜と、今日でこのクラスの授業は最後になりましたが、みんな、本当に色々ありがとうございました。もうちょっとで私も学校に戻って頑張るから、みんなも頑張って下さいね。これで終わります。」

桜田先生が深々と頭を下げると、ヒロキが立ち上がって「先生!俺、先生のこと好きだよ!」と叫んだ。

するとすかさず、「ヒロキラブ」の港さんも立ち上がり、「あたしも、先生のこと好き!」と続けると、クラスのみんなが次々に立ち上がって、「好き」とか、「ありがとう」とか、卒業式の呼びかけみたいに、桜田先生に自分の気持ちを伝えた。

僕もやっぱり立ち上がり、「先生、ありがとうございました!」って言えた。

桜田先生は「みんな、ありがとうね。」と涙ぐんでいた。

母ちゃん先生は、ものすごい勢いで号泣してたっけ。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

お話はまだまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

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