その54
お話の続きです。
どうぞ宜しくお願い致します。
今日は、坂口さんの機嫌が悪いみたい。
「轟け!不屈の魂!大将軍」の昨日の放送で、黒王丸が敵方が送り込んだ白い牝馬「白蓮香」の色香にすっかりやられてしまったから。
「あたしの黒王丸様が…。」って、何度もぶつぶつ。
僕は、そりゃ仕方がないよ、文句は作者に言ってくれ。と思った。
秋田さんとテルは2人で「ハイ!私達〜、アンニョン11です!」と、アンニョン11のモノマネに勤しんでいる。
言い方だけじゃなく、ポーズもどこがちょっと違うだの、「アンニョン」の発音の僅かな言い回しだのを繰り返している。
なんだか楽しそうだ。
できれば、僕も、今日はそっちに行きたいなあ。
こんな鼻息荒くイラついてる人と、一緒に歩くのはしんどいよ。
あ〜あ。
ため息をついていると、いきなり坂口さんがテンションを変えてきた。
「あ!ねえねえ、住田君、あたしってさあ、テミジカミジカに似てない?」
えっ?
え〜っ!
確かにこの間、秋田さんがテルのこと好きだって教えてくれた時、坂口さんの顔を間近で見て、ちょっと似てるかなってうっすら感じたけど。
それ、自分で言う?
ヤダなあ、そういうの。
僕から「坂口さんって、ちょっとテミジカミジカちゃんに似てるね。」って言ってるならまだしも、自分から「あたしって…。」なんて切り出すのはどうよ?
僕はただただ「ん?ん?どうかなあ?あははははは〜。」と、切り抜けるしかできなかった。
口が裂けても、「あ〜、ホント!似てる、似てる!」なんて、言いたくなかった。
言ってしまったら、絶対坂口さん調子こくに決まってる。
そうなったら、今までみたいに普通に会話なんかできやしない。
そう感じた。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。
お話はまだまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。




