その47
お話の続きです。
どうぞ宜しくお願い致します。
父の給料が出た週末、家族で回転寿司を食べに出かけた。
久しぶりの回転寿司。
前回は確かお正月。
初詣の帰りだったと思った。
家族で外食はたまにあるけど、回転寿司はあれ以来。
だもんで、僕のテンションは上がった、上がった。
わ〜い!やった〜!
僕が大はしゃぎで叫んでぴょんぴょん飛ぶと、母もつられて「わ〜い!」と嬉しそうにしてたっけ。
父もニコニコ「さっ!今日は好きな物いっぱい食べよう!」なんて上機嫌。
家族3人でウキウキしながら車で出かけるも、お目当てのお店の大きな看板が見えてきた頃、若干の暗雲が立ち込めてきた。
駐車場待ちの車が道路にずらずらずら〜。
「やっぱり土日は混むなあ。」
父が苦い顔。
「どうする?車、入れそう?」
母の問いに、父は更に険しい表情を作る。
僕は不安でいっぱい。
あんなに楽しみにしていた回転寿司が、もしかしたら食べられないかもしれない。
お店の開店時間に合わせて、早めに家を出たのに。
今日はたらふく食べようと、全員朝食抜きだったのに。
食べられないかもどころか、お店に入ることすら難しそう。
すると、父が「ここはやめて、違うとこにしよう!」と提案。
母も僕もすぐに賛成した。
回転寿司ならどこでもいい。
僕ら全員の意見が一致した。
駐車場待ちの列から出ると、父は車を走らせた。
ここもダメ、次もダメ。
そうやって街の回転寿司屋を回るも、どこも馬鹿みたいに混んでいる。
後部座席から「なんで?」と聞くと、「みんなも給料出たからじゃない?」と母。
「そっかあ。」と僕はうなだれた。
グ〜ギュルギュルギュル。
誰かの腹が鳴り始めると、続けて誰かの腹が鳴る。
そうして車内は、みんなの腹の音の大合唱。
あまりの空腹に耐えかねた母が、「もう回転寿司は諦めて、適当なところで食事しない?」と妥協してきた。
一瞬、「え〜っ!」て思ったけれど、時間と共に僕の気持ちも「今すぐ食べられるなら、なんでもいや。」に変わってきた。
本当は回転寿司が良い。
本当ならね。
だけど、ここまで来たら、もうそこらのコンビニやスーパーで買った飯でも、十分満足するよと、僕の気持ちは、だいぶそちらに傾きかけてきていた。
だが、父は「いや、ダメだ!もうちょっとだから。もうちょっとの辛抱だから。」と、頑なだ。
絶対に回転寿司ったら、回転寿司!と言う、硬い岩の様な決心。
今日は、今日だけは他の物じゃダメだ!
折角、家族で食べに行くのだから、妥協なんて許されない。
え〜、いいけどさあ〜。
母の「せめて何か飲み物を飲もう。」と言う提案に、「まあ、飲み物ぐらいなら。」と父が折れた。
途中のコンビニで、父は缶コーヒーを、母はウーロン茶を、そして僕はリンゴジュースを買った。
コンビニ前の喫煙コーナーで父がタバコを吸う間、母と僕はスマホで回転寿司屋を探した。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。
お話はまだまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。




