その46
お話の続きです。
どうぞ宜しくお願い致します。
何気なく見ていたテレビの音楽番組に、テミジカミジカちゃんが抜けた「ノボリ坂37チーム」が出ていた。
新曲「ボーイズ!ドンと恋」を歌ってた。
センターのポジションに、「ぽっちゃり担当」の矢部まこちゃん。
相撲の張り手の様な振り付けで、画面のこちらに向かってくる感じに圧倒された。
今までほとんどの曲で、センターを務めていたミジカちゃん。
僕の脳内で勝手に新曲のサビの部分、「ドンと恋!ドンと恋!ドンと、ドンと、恋!恋!」がぐるぐるしている。
…あ〜…なんか、しんど〜。
変な曲〜。
僕はそのまま聴いているのに耐えきれず、途中で自室に戻った。
部屋の壁に貼ってある、「ノボリ坂37チーム」のポスター3枚それぞれに、目をやる。
真ん中で、可愛い決めポーズの、にっこりこちらを見つめるミジカちゃん。
あ〜、可愛い。
好きだっ…たんだけどなあ…。
じっと目を閉じ、深呼吸。
そして、僕は壁のポスターを、力任せに剥がした。
ビリビリビリと音をたて、全部のポスターが破けてしまった。
あ〜あ。
そう思ったけれど、もうどうでも良かった。
少ないお小遣いでやりくりしたりして、やっとゲットしたポスター3枚。
1つは携帯電話のCMのやつ。
その頃、たまたま偶然、お父さんのスマホの機種変更でショップに行くとなって、一緒についてった際、くじ引きで当てたもの。
本当は1等の「ノボリ坂37チーム」のTシャツが欲しかった。
けど、ポスターもなかなか嬉しかった。
もう1つは、コンビニのキャンペーンくじで、やっぱり当てたもの。
これの時も、本当は1等の「ノボリ坂37チーム」缶が欲しかったけど、仕方がない。
大きめの缶の中に、「ノボリ坂37チーム」の文房具などのグッズがいっぱい入ってるもの。
これは、本当に欲しくて、お小遣い全部注ぎ込みたかったぐらい。
最後のは、的場からもらったやつで、「ノボリ坂37チーム」全員が写ってるポスターではなく、ミジカちゃんが1人で、しかも緑色のビキニで写ってる小さめのもの。
元バレー部の的場が毎週買ってる、「少年キック&ターン」の折り込み付録のやつ。
的場も「ノボリ坂37チーム」のファンだけど、あいつの推しは眉ずみまゆみちゃんだから。
「これ、あげるよ!ニッキはミジカちゃん推しだったよね?」と、部活の練習の時に。
的場のクラスにも「ミジカちゃん推し」のやつがいたらしいけど、的場は何故か僕にくれた。
その時僕には、的場が「神」に見えたんだっけ。
僕は剥がしたポスターをぐしゃぐしゃに丸めて、ゴミ箱へポイ。
いいんだ!これでいいんだ!
棄てる気持ちが乗ってくると、今度は持っている数少ないグッズに手が伸びた。
コラボキャンペーンのジュースの缶や、ペットボトルに「ノボリ坂37チーム」の写真が印刷されてるものと、唯一買ったCD「そうでも騎士」の初回限定盤についてた、ポストカード5枚セットと、ミニタオルとミニノート。
それらもきちんと分別して棄てた。
残るはCDただ1枚。
僕はリサイクルショップか、お母さんに頼んで「メルメルウリカイ」に出品するか迷った。
う〜ん…どうしよう…。
とりあえず、手放す覚悟で最後にもう一回、「そうでも騎士」を聴いた。
あ〜、いい曲〜。
僕は「ノボリ坂37チーム」の曲の中で、この曲が一番好きだ。
口ずさみながら聴き終え、少し考えた。
そして、他は全部棄ててしまうけど、これだけは残しておこうと決めた。
だって、ミジカちゃんに関係なく、僕はこの曲が好きだから。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。
お話はまだまだ続きますので、引き続き読んでいただけたら、とてもとても嬉しいです。
どうぞ宜しくお願い致します。




