その43
お話の続きです。
どうぞ宜しくお願い致します。
第三試合。
今度の対戦相手は、ほぼ毎年優勝し、全国大会に出場している強豪校。
僕らの中学と違い、さすが私立って感じ。
学校の名前に「百合」が入っているからか、相手チームのユニフォームは、濃い紫色に右脇下のあたりから、でっかいピンクの百合の花がプリントされている。
どう見てもおばさんくさいそれ。
そして、派手で目立ち過ぎ。
あちらの選手、着るの嫌だろうなあと思った。
試合は流石、私立の強豪校とあって、第1セットも第2セットも、少しか点は入ったものの、いとも簡単にあっさり負けてしまった。
勝負が決まる第3セット、残りわずか3点で負けてしまう場面で、ピョンバシが「タイム」をかけた。
もう負けてしまうとわかっている。
「だったら。」と、腹の調子がすっかり元通りの的場と、まだ若干足に不安が残るヒロキが、出ることになった。
2年の山田ツーと、1年の黒崎に代わり、2人がコートに入った。
これで「弱小5」と呼ばれた3年生5人が勢揃い。
僕ら5人と、残った白崎で、出せる力を出し切った。
ずっと応援に回っていた2人は、やっぱり体が思うように動かせず、ミスがかなり多かった。
最後の最後、相手からの強烈なアタックを受け止めようと、ヒロキがすかさずボールを追うも虚しく、線の上にダーン!と落ちた。
ゲームセット!
的場とヒロキが入ってから、試合が長い様にも、短い様にも感じられた。
悔しくて、悔しくて、涙がいっぱい溢れ出た。
試合終了で、相手チームと握手をする時、「僕らの分まで頑張って下さい。」と伝えた。
終わってみると、3回戦敗退。
けれども、僕らは大満足だった。
当初の予想は、一回戦敗退だと思ってたから。
大会が終わったその日、ヒロキの家の焼き鳥居酒屋で「打ち上げ」が行われた。
バレー部全員と顧問のピョンバシに加え、僕らの親や兄弟達、おじいちゃんおばあちゃんに加え、他の常連客や普通のお客さんも混えての大宴会。
ヒロキのお父さんと、昔グレてて、「ボンタン」を履いてたヒロキのお兄ちゃんが焼く焼き鳥は最高に美味しかった。
ヒロキのお母さんと、お兄ちゃんのお嫁さん、それにバイトのえみちゃんは、笑顔で忙しく動き回っていた。
大人達はビールをがぶ飲みして、赤い顔で大声で笑ってた。
それにつられて、僕らもゲラゲラ大笑いした。
大宴会が終わりに近づくと、誰かが僕らの中学校の校歌を歌い始めた。
そこから全員での大合唱。
隣にいる者同士、肩を組んで、何度も何度も校歌の一番だけを繰り返し歌った。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。
お話はまだまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しく@お願い致します。




