その4
「その3」の続きです。
ああ、それにしても僕は何を飲めばいいんだろう?
違う。
「何を飲めば。」じゃなくて、「何が飲みたいか。」じゃないか。
そうだよ!そう。
自分の気持ちに正直になればいいだけの、簡単な…。
あっ!ダメだ!
簡単じゃない!
だって、今、桃味の水も、みかん味の水も、シャインマスカット味の水も飲みたいし、スポーツドリンクも捨てがたい。
炭酸のシュワシュワ〜もいいとなるとコーラもいいし、ちょっと酸っぱいオレンジジュースも美味しいね。
あ〜、そっか!全然簡単なことじゃないんだ!
たった230円しかないのに、今あげた飲み物、全部飲みたいよ。
どうしよう?
困ったな。
こんなに困るもんなのかな?
たかが冷たい飲み物を買って飲むだけなのに。
僕は自分の優柔不断さを呪った。
ああ、こんな時テルならどうするかな?
…う〜ん。
テルなら…きっと僕みたいに悩むと思う。
けど、ヒロキだったら、ババっとフィーリングで決めちゃって、すぐにゴクゴクやるんだろうなあ。
野球部のヤマシタなら…あいつは野球部だから、きっと迷うことなくスポーツドリンクを選びそう。
そんなことを考えている間も、髪の中から汗が流れ出てしまっている。
暑い。
暑すぎる。
早いとこ決めてしまわないと、この場で倒れてしまいそう。
あ〜…どうしよう。
悩み佇んで棒立ちになっている僕の後ろから、聞きなれた声がした。
「お〜い!何悩んでんの?」
声の主はテルだった。
息を弾ませ小走りで駆け寄ってきたテルも、やはり喉がカラカラの様子。
僕は「天の助け」と思った。
隣に並んだテルに早速尋ねた。
「なあ、何飲む?」
「ん〜…そうだなあ…。」
背負ってたリュックから小さい財布を出したテルは、中の小銭を確かめると眉をひそめた。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
これからも、そして、他の作品もどうぞよろしくお願い致します。




