その32
続きです。
どうぞ宜しくお願い致します。
今日は風がやけに強いから、部活の練習は旧校舎の3階の廊下でやっている、はず。
いつもの掃除当番の時より、随分遅れてしまったから、もうみんな終わって帰ってるかもしれない。
それでも、僕は廊下を走った。
本当は走っちゃダメだけど、そんなこと言ってられない。
今すぐ、テルとヒロキに謝りたい。
じゃないと、2人に嫌われてしまう。
嫌われてしまったら…僕なんかひとりぼっち。
ひとりぼっちは苦手だ。
こういう形でそうなるのは、ただのひとりぼっちよりももっと辛い。
辛すぎて耐えられない。
それに、僕は2人が好きだ!
変な意味じゃなく、友達として好きだ!
一緒にいると楽しい。
だから…。
旧校舎の3階まで一気に階段を駆け上がると、そこにテルとヒロキだけ。
後のみんなは、とっくに帰ったらしい。
「あれ?ニッキ…。」
「もう、部活、とっくに終わったよ。」
テルもヒロキも汗だくで激しく息をあげている僕を見て、驚いた様子。
多分、もう来ないって思ってたんだと思う。
僕も、そのつもりだった。
「はっ、はっ、はっ、はっ…あっ、あのさ…あの…ごめん!」と同時に、僕は素早く土下座した。
「土下座すりゃあ許してもらえるだろう。」とかの土下座じゃなく、ちゃんと心から「ごめんなさい。」の気持ちを込めた土下座。
深々と2人に頭を下げると、ポトポトと床に汗と涙の滴が落ちた。
「テル!ヒロキ!さっきは本当にごめんなさい!僕、どうかしてた。2人が優しくしてくれてるのに、あんな叩き返すような酷い態度とって。本当にごめんなさい。」
すぐには許してもらえる訳ない。
だって、ものすごく僕が悪いんだもの。
それでもいい。
とにかく謝りたい。
自分の愚かな行為を。
しばらく誰も口を開かなかった。
と言うより、なんて言えばいいのか、わからなかった。
僕はただただ、何度も何度も「ごめんなさい。」と言った。
何度目かの「ごめんなさい」の後、ヒロキが呟いた。
「もう、そのぐらいでいいよ。普通に戻んなよ。」
「えっ…でも…。」
テルが続けた。
「そうだよ、もう十分謝ってもらったから…いいよ…やめなよ、謝んのさ。」
「だけど…。」
それ以上何も言えず、僕はその場で泣き崩れた。
「え〜…ちょっと〜…泣き過ぎ〜…大丈夫?」とテル。
ヒロキは涙と鼻水でぐしゃぐしゃな僕の顔を見て、「きったねえ!」と言い放ち、あははと豪快に笑った。
「えっ?そ、そんなにきたねえ?」
ぐしゃぐしゃのまま2人に尋ねると、2人は声を揃えて大きく「うん!」と言った。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。
お話はこれからまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。




