その30
前回の続きです。
どうぞ宜しくお願い致します。
先生達からズボンのことで、何か注意されたりすることはまるでなかった。
むしろ、どの先生も何故か、僕と履いてるボンタンを笑顔で見つめてくる。
それがなんだかくすぐったかった。
そしてそして僕はと言うと、ボンタン1日目が終わると、残りの2日は案外平気に過ごせた。
周りももう僕の履いてるボンタンが、さほど珍しくないといった感じ。
逆にバレー部の下級生なんかからは、よくわからない羨望の眼差しで見られて困った。
土曜日、リサイクルショップで無事に「ズボン」を買ってもらったので、僕は借りていた「ボンタン」を自分で洗った。
洗濯機に放り込む時は気づかなかったけれど、干して乾いて自分でアイロンをかけようと思った時、ズボンの内側をよ〜く見てみると、「喧嘩上等」の刺繍の他に、ベルトの裏辺りの白い部分にピンク色の字で「さやかLOVE」と書かれていた。
どうやら油性ペンで書いた模様。
そっか、ヒロキのお兄ちゃん、これ履いてた時「さやかさん」って人が好きだったんだ。
自分が書いた文字じゃないのに、どういう訳か、僕は恥ずかしくてたまらなくなった。
リサイクルショップで買ってもらったやつには、その手の刺繍も文字も何もなかったっけ。
母に手順を教えてもらい、丁寧に慎重にアイロンをかけて畳むと、僕はヒロキにメールした。
すぐに返しに行きたかったけれど、都合が悪いから月曜日に学校でとなった。
テルと遊んだ日曜の夜、衝撃的なニュースが飛び込んできた。
「テミジカミジカ(20歳)、俳優の薮松こうへい(48歳)とデキ婚!ノボリ坂37チーム急遽脱退!」
えええええ〜〜〜〜〜〜っ!嘘だろ〜〜〜っ!
ミジカちゃんが、デキ婚だって?
しかも、相手が28歳も離れた俳優って!
そ、そんなあ…ミジカちゃん、アイドルなのに…彼氏作っちゃダメなはずなのにい〜〜〜!
デキ婚って…。
ショック〜〜〜〜!
明日、学校行きたくないや。
だって…だって…だって〜〜〜!
最後まで読んで下さり、本当に本当にありがとうございました。
お話はまだまだ続きますので、引き続き読んでいただけたなら嬉しいです。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。




