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その27

お話の続きです。

どうぞ宜しくお願い致します。


もしヒロキのお兄ちゃんの制服のズボンがなかったとしたら、僕は諦めて母が修復してくれたズボンを履くと決めた。

チャックは新しいのに取り替えてもらったから、気になるのはチャックを隠す部分の、縫い目が見えてる当て布のところだけだから。

そう腹を括ったはずだけど、僕はヒロキのお兄ちゃんのズボンに期待した。

サイズ云々の心配も考えたけれど、ヒロキのお兄ちゃんは僕よりも背が高いから。

僕より背が低かったら履くのは無理だろうけど、大きかったら大丈夫。

履いてみてブカブカだったら、またお母さんに直してもらうなり、ベルトで調節すればいい。

ズボンの丈だって、長ければお母さんが上手く直してくれるさ。

ヒロキからのメールは、嬉しいものだった。

「あるよ!今から取りにおいでよ!」

僕は嬉しくて嬉しくて、急いで家を出ると、自転車でヒロキの家へ急いだ。

そろそろ辺りが薄暗くなってきた。

街灯や家々の灯りがちらほら。

自転車のライトの先に、賑やかな明るい看板が見えて来た。

ヒロキの家は焼き鳥をメインとした居酒屋さん。

店内で食べられるだけじゃなく、もちろん、テイクアウトもある。

うちのお父さんも、たまに仕事帰りに寄って来る。

その時は必ず、僕達にお店で出してる焼き鳥なんかをお土産に持って帰ってくれる。

ヒロキのとこの焼き鳥は、それはそれは美味しい。

タレも美味しいし、塩もイケる。

「こんばんは〜!」

店ではなく裏の玄関から家の中に案内されると、ソファーのところに制服のズボン。

「これなんだけどさ〜…。」

ヒロキはズボンを手に取って見せるなり、少し不安な表情をした。

よくよく見せてもらうと、タックが3つもあるいわゆる「ボンタン」

今時こんな太いズボン履いてるやつ、見たことない。

お父さん達が学生だった頃の写真に、確かこんなの履いてる人が何人もいたけど。

そんで学ランもやけに短くて。

一瞬、ヤダって思った。

けれども、さっきお母さんが直してくれたズボンを思い出すと、「いやいや、こっちの方が…。」って思った。

「いいの〜?」と僕。

「全然!ぜ〜んぜんいいよ〜!こんなんで良かったら。」とヒロキ。

とりあえず履いてみたらと促され、僕はその場で履いてみた。

その時、中をチラッと覗くと、ズボンの内側に「喧嘩上等」と赤い糸で刺繍してあった。

最後まで読んで下さり、本当に本当にありがとうございました。

お話はまだまだ続きますので、どうぞ引き続き読んで頂けたら嬉しいです。

宜しくお願い致します。

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