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その26

お話の続きです。

どうぞ宜しくお願い致します。


母の力を持ってしても、ズボンは綺麗には直らなかった。

しかも、「ちょっと」だった箇所が、母に見せる頃には結構大きく切れていた。

と言うより、切った箇所からほつれる様に破けた様だった。

たっぷり叱られた。

それでも母は母が持っているあらゆる技術を屈して、僕のズボンの修復にあたってくれた。

それがありがたくもあり、申し訳なくもあった。

「共布」と呼ばれる制服と同じ生地で、切れた部分に後ろから「当て布」の形で縫いつけてくれたけど、普通の状態よりも目立つ、目立つ。

僕が気にしているから、目立つのかもしれない。

もしかして、事情を知らない人だったら、気づかないかも。

それに修学旅行も終わったし、卒業まで1年もないんだし、このまま我慢して履けばいい…訳ないよ!

やっぱり嫌だよ!

僕はお兄ちゃんが履いてたズボンはないか?と、母に尋ねた。

「…ん〜…どうだろう?」

首を傾げて思い出そうとしている母に、「一緒に探すから!」と言い、2人で兄の部屋の押し入れを探した。

大学2年生の兄は、家を出て一人暮らしをしている。

飛行機で行かねばならない程の遠い大学だから、そうせざるを得ない訳だ。

一通り探すも、兄が着ていた制服は見つからなかった。

家中の押し入れと納戸も丁寧に探してみたけれど、兄が中学時代に着ていた制服は影も形もなかった。

だけど、何故かヨレヨレのジャージ上下はあった。

ジャージの中に着る指定Tシャツも、首と脇のところが若干黄ばんでいたけれど、ちゃんと残っていた。

「なんだ〜、ないのか〜。」

明日、このズボンを履いていかなきゃならないかと思うと、僕はガックリしてしまった。

うなだれた僕に、母がある提案をした。

「ヒロキくんのお兄ちゃんのは?あるかもしれないわよ。ちょっと聞いてみたら?」

「じゃあ…。」と、僕はヒロキに連絡して聞いてみた。

ヒロキのお兄ちゃんが、ひょっとすると持っているかもしれない。

そう思うと、僕の中の真っ暗なトンネルの先に、僅かな明るい光が見えた。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

お話はまだまだ続きますので、引き続き読んで頂けたら幸いです。

どうぞ宜しくお願い致します。

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