その19
続きです。
体育の時間、2人組んでのストレッチ。
ヒロキが怪我で離脱してから、僕は野球部のヤマシタと組むことになっている。
修学旅行の間、風呂場であいつの体を見て…と言っても、そんなにじろじろ見た訳じゃないんだけど。
僕と同い年なのに、あいつ、すげえ筋肉でびっくりしたっけ。
肩の盛り上がりとか、割れた腹筋とか、腕や足の筋肉の筋とか。
将来はメジャーリーガーになりたいからと、普段の野球部の練習の他、空いてる時間はなるべく何かしらのトレーニングをしているそうだ。
背中合わせで腕を組んで、最初に僕がお辞儀の形でヤマシタを背負う。
わっ!結構重い。
やっぱり体を鍛えてるから、筋肉が付いてて重いんだ。
僕は歯を食いしばる様に全身に力を入れて、背負ってるヤマシタを落とさない様気をつけながら、そっと上体をあげた。
次に僕が背負われる番。
ふわっ。
僕と違って、ヤマシタは軽々と僕を背負う。
10回ほど背負ったり、背負われたり。
今度は両腕を繋いで、横並びで脇の下を伸ばす。
右やって、左。
それを10セット。
他に幾つか組んでストレッチ。
それが終わると、今日はマット運動。
体育の後の着替え中、ふと何気なくヤマシタを見ると、可愛いパンダがワンポイントの水色のタオルで汗を拭いている。
あれ?確かいつもは無地とか、スポーツブランドのロゴが入ったタオルじゃなかった?
あいつでもあんな可愛いの使うんだ。
へえ、珍しい。
ぼんやりそう思ってたら、後から「ヤマシタが、女子のヤマシタさんと、どうやら付き合ってるらしいよ。」と聞いた。
「えっ?いつから?」
「いや、正確にはわかんないけど、多分、先々週?ぐらいなんじゃないかなあ?」
事情通のテルでも、詳しくは知らないと。
女子のヤマシタさんと言えば、学年の女子の中でも可愛さ上位に食い込む、人気の女子。
華奢で可憐で優しくて、男子で結構ファンがいるんじゃないかなあ。
みんな言わないし、教えてもらえないから、どれだけの男子が「女子ヤマシタさん好き」かはわからないけど。
僕はと言えば、女子のヤマシタさんは可愛いとは思うけど、好きとかそこまでではないかな。
ヤマシタと女子のヤマシタさん。
お似合いだなあ。
野球部のヤマシタ、男らしくて、ちゃんとしたハンサムではないかもしれないけど、同じ男としてカッコいいなあって思う。
女子のヤマシタさんが、好きになるのも頷ける。
あのパンダのタオル。
女子のヤマシタさんからの…なんだろうなあ。
いいなあ、ダブルヤマシタ。
微笑ましいよ。
…って、どの目線で言ってるんだか。
最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。
お話はまだまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願いします。




