その16
前回の続きです。
英語のテストは惨敗だった。
僕的には案外勉強したつもりなのだけど。
どうにも努力が足りなかったらしい。
テルは「意外と良かった。」そうだ。
へ〜、そうかい!羨ましいよ。
幾らかしょんぼりしている僕を見兼ねて、放課後テルがコンビニで「唐揚げさん」チーズ味を奢ってくれた。
学校近くの河川敷の石段に腰掛け、僕らは「唐揚げさん」と、自腹で買った「シュワシュワプル〜ン!」のソーダ味を飲んだ。
テルは「シュワシュワプル〜ン」の、苺ソーダ味を飲んでたっけ。
視界の上半分にうっすらと青空が見えてる。
右側からヒラヒラと小さな蝶々が飛んで来て、一瞬僕の膝に止まると、すぐさま左側へと行ってしまった。
姿は見えない鳥の、可愛いさえずりも聞こえる。
川に近いグラウンドで、ちびっこ達が野球の練習をしている。
緩やかな風の穏やかさが、なんとも心地良い。
…けど、テストの点は酷かった。
ゲフッとゲップをした後、テルが「そういえば…。」と始めた。
なんでも、ヒロキが退院するらしい。
膝の怪我は完治していないけれど、通院でやり過ごすとのこと。
「そっかあ、じゃあ、学校にも来れるんだ〜。」
昨日の夜だって、ヒロキとメールでやり取りしたのに、そんな話は一切なかったっけ。
テルもその話は、たまたまテルん家の床屋に髪を切りに来てた、ヒロキのお父さんから聞いたそうだ。
なんだよ、あいつ。
肝心なことは教えないんだもんなあ。
それでも僕は、ヒロキのことが嫌いじゃない。
なんつうか、「あいつらしい。」と思った。
多分、憶測だけど、ヒロキはみんなに心配されたり、「良かったねえ。」なんてやられるのが苦手なんだと思う。
恥ずかしいのかもしれない。
ヒロキはいつもあんなだけど、意外と目立ちたがり屋じゃないみたい。
ヒロキが退院するってことは、もうすぐ「引退」しちゃう「バレー部」の練習にも顔を出してくれるかもしれない。
まあ、練習とか、最後の大会とかには出られないとは思うけど。
それでも、ヒロキが一緒ってのが、嬉しいし、大事なんだ。
だって、僕らはやっぱり「仲間」だからさ。
最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。
お話はまだまだ続きますので、引き続きどうぞよろしくお願い致します。




