その12
続きです。
ヒロキの病室へ行くと、もうクラスの仲間が何人も来ていた。
中には女子も数人。
そう言えば、ヒロキってあんな感じだけど、割と女子に人気あるんだよなあと思った。
ベッドに座る様に仰向けのヒロキは、相変わらずニコニコ。
僕はヒロキのそういうところが変な意味じゃなく好きだし、羨ましい。
「じゃあな!」と先に来ていた軍団が帰ると、女子も「ヒロキ君、お大事にね〜!きゃ〜!」なんつって、照れて恥ずかしそうに病室を後にした。
僕とテルは「大丈夫か?」と、お決まりのセリフを吐くと、「そうそう、これ、俺らからのお見舞い。」と、来る途中で購入したコンビニのおにぎりを渡した。
「わ〜、サンキュー!」
そう言いながら渡されたレジ袋の中を見て、ヒロキの顔が急にパーッと明るくなった。
「う〜わっ!マジで?これ、マジでもらっていいの?わ〜い!やった〜!」
ヒロキは早速ガサゴソと袋からおにぎりを1つ取ると、すぐさま慣れた手つきで開けてかぶりついた。
「あ〜、うめえ〜!」
ヒロキはツナマヨが大好き。
だけど、コンビニでツナマヨ10個は置いてなかったので、チャーシューマヨと、普通の鮭と、海老マヨも混ぜた。
美味しそうにおにぎりを頬張るヒロキを見て、僕らも嬉しくなった。
「え〜!10個もあんの?ひゃ〜!やった〜!」
病院で出るご飯だけじゃ、足りないとヒロキ。
なので、僕らの差し入れが本当に嬉しいと言ってくれた。
10個のおにぎりは、あっという間にヒロキの胃袋に収まった。
「は〜、美味しかった!ホント、サンキュー!」
僕らは30分ぐらいヒロキと色んな話をした。
帰り道、ふとテルが呟く様に言った。
「おにぎり…10個…イケるかなあ…。」
テルはコンビニやスーパーなどで売っているサイズのおにぎり、自分だったら何個食べられるかと考えたようだ。
テルがその話を振って来たので、僕も真剣に考えた。
おにぎり10個。
どうだろう?
本当に激減り時だったら、イケる様な気もする。
そもそもその手のおにぎりって、さほど大きくないし。
普通に買って食べる時も、1個ってことはまずない。
必ずと言っていいぐらい、2個ないし、3個は買うかも。
テルは細い割に結構食べる。
いわゆる「痩せの大食い」タイプ。
僕はと言うと、痩せてはいないけど太ってもいない中肉中背で、自分では自覚してないけど、それほど大食いじゃないと思う。
けれども、僕は炊き込みご飯のおにぎりがものすごく好きで、家やおばあちゃん家に行った時に炊き込みご飯だと、そのままお茶碗によそってもらって食べるのは苦手で、絶対「おにぎり」にしてもらう。
「自分でやんなよ〜!」などと母にボヤかれることもあるけど。
炊き込みご飯のおにぎりだったら、僕も10個はイケる気がする。
そう思ったら、もう、今すぐにでも炊き込みご飯のおにぎりが食べたくなった。
最後まで読んで下さり、本当にありがとうございます。
お話はまだまだ続きますので、引き続きよろしくお願い致します。




