その11
続きです。
どうそよろしくお願い致します。
生まれて初めて自分で洋服を買った安堵感から、その後、テルと2人で食べたハンバーガーはいつもよりも美味しい気がした。
本屋で集めている漫画の新しい単行本を買うと、僕らはショッピングモールを後にした。
「今日はホントサンキュー!すんごく助かっちゃった。」
「なんも、そんなの。大したことじゃないし。」
じゃあな!とテルと別れて程なく、ヒロキと遭遇。
相変わらず元気でゲラゲラ笑っている。
ふと、ヒロキの下半身に目をやると、履いているジーンズの右膝辺りが激しく破けている。
聞くと、「や〜、さっきさ、自転車乗ったまんま、すっ転んじゃって…ははは…あ、これ?ダメージジーンズ!なんちゃって…さっき破けちゃった!あははは!」とヒロキ。
僕は「あははじゃねえよ!お前、大丈夫か?」と声をかけた。
ヒロキは「平気!平気!大丈夫!大丈夫!こんぐらい!じゃあな!」と、元気いっぱいのまま、行ってしまった。
破けたヒロキのジーンズの下の方は、滲んだ血で少し赤くなっていた。
あいつ…。
ダメージジーンズって…。
いや、ダメージはダメージだろうけど、あれならマジダメージじゃんか。
マジでダメージジーンズじゃんかよ〜。
血も出てたみたいだし、全然面白くねえよ。
別れ際に大きくこちらに振ったヒロキの手も、擦り傷で赤いのがいっぱい。
あいつ、本当に大丈夫だろうか?
あれなら、絶対痛いに決まってる。
手も傷いっぱいで。
足の方、大きい怪我じゃなきゃいいんだけど。
僕はヒロキが心配だった。
ヒロキと遭遇してしまったことで、さっきまでの「生まれて初めて自分で洋服を買えた嬉しいテンション」が、どこかにぶっ飛んでしまった。
案の定、次の日、ヒロキは学校を休んだ。
なんでも、右膝の皿が割れて入院したそうだ。
やっぱり。
僕はちょっぴり切ない気持ちになった。
ヒロキ、あん時絶対泣くほど痛かったはずだよなあ。
それなのに、あんなに元気っぽく装ってたんだ。
僕に心配されたくなかったんじゃないか。
そう思うと、「なんだよ!水くせえ!友達じゃねえかよ!妙な気使ってんじゃねえよ!」と、僕は怒りが込み上げた。
学校帰り、僕とテルは持ってるお金を出し合い、ヒロキが好きなコンビニのおにぎりを10個買い、やつが入院している病院へ向かった。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
お話はまだまだ続きますので、引き続きよろしくお願い致します。




