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101/103

その101

お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。

隣の席の女子のヤマシタさんから、色々聞いた。

「フォークダンスと、カレーの夕べ」の後ぐらいから、男ヤマシタと2年の倉田さんのトレーニングに、「マネージャー」として加わったそうだ。

2人の様には走れないけれど、自転車で後につき、タオルやスポーツドリンク、貴重品などを預かったりしているって。

同じ人を好きになった「縁」で、倉田さんとは妙に話が合うそうだ。

なので、トレーニングが終わった後、男ヤマシタ抜きで、2人で色々話して楽しいとも言っていた。

そして、倉田さんの試合の時は、男ヤマシタと2人で応援に行くとも、教えてくれた。

もう「彼氏」「彼女」じゃないけれど、今は今で付き合っていた時とは違う充実感があるそうだ。

ピカピカの笑顔で嬉しそうに、時には恥ずかしそうに、一生懸命教えてくれたヤマシタさん。

話を聞いたら、僕もなんだか心がほんわかとなった。


僕もあれから少し走っている。

けれども、家を出る際、母に「走ってくる!」と告げると、毎回必ずおつかいを頼まれる。

もう、それにも慣れた。

昨日もそんな「おつかいランニング」に出ると、暑くて水を飲みすぎていたせいか、途中で猛烈な便意をもよおしてしまった。

だもんで、傍にあったスーパーでトイレを借りて、ことなきを得た。

「ふ〜う!間に合った。」

安心して出入り口に向かうと、廊下の途中にカプセルトイの機械が数台並んで置いてある。

「どれどれ」と1つづつ見ていくと、「轟け!不屈の魂!大将軍」のがあった。

1回200円のそれに入っているのは、映画版「轟け!不屈の魂!大将軍」の文房具が5〜6種類ほど。

主役の将軍から、一文字が好きな「V字龍」などなど。

その中の一つに、坂口さんが大好きな「黒王丸」の消しゴムがあった。

「あ!」と思い、すぐさま「おつかいの財布」から200円を出して投入口に入れると、僕は心の中で「黒王丸!黒王丸!」と願いながら、ガチャガチャガチャとハンドルを回した。

コンコロロン。

出てきたのは赤いカプセル。

そうと開けて中を見ると、「やった〜!黒王丸!」

思わず声が出てしまい、近くにいたちびっこ達にじーっと見つめられてしまったっけ。

小さなビニール袋に入ったそれを、もう一度丁寧にカプセルに戻し、店を出た。


翌日、僕は朝のうちに坂口さんに、昨日のカプセルをあげた。

「はい!これ、あげる。」

「えっ?」と驚く坂口さん。

「開けていい?」

僕がコクンと頷くと、早速、坂口さんがカプセルを開けようとするも、なかなか開かない。

「ダメだ、開かない。」

項垂れる坂口さんの手から、「どれ、貸して!」とカプセルをもらうと、ギュッと力を入れずとも、割とすんなり開けられた。

「ニッキ、すご〜い!手の力、ゴリラ並みだね!」

「え?それ、褒めてんの?」

「褒めてる!褒めてる!これ、見ていい?」

「どうぞ、どうぞ!」

僕は誇らしげに胸を張って、そう言った。

カプセルの中の小さな袋を開けた坂口さん。

「きゃあああ〜!嘘〜!嬉し〜!ありがとう!ニッキ!」

そう言うなり、いきなり僕に抱きついてきた。

わっ!えっ!えっ!

驚く僕を尻目に、坂口さんは「黒王丸」の消しゴムに大喜び!

きゃっきゃと飛び跳ね、大声で笑う坂口さん。

僕も相当驚いたけれど、教室にいた全員も、突然のことでびっくりし過ぎて、固まってしまっていた。

最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。お話はまだちょっと続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

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