プロローグ
初めて書きます。
少しずつ、具体的な形に出来たら良いなぁ。
そんな感じで、気楽に、のんびり書いていきます。
「さぁ、キング。今日も思い出狩りと行こう!」
3本の触覚が付いた、丸いイキモノ。
そして、炭のように黒い。
キングと呼ばれる奇妙なイキモノは、少年の足を避けるように、小さな足を必死に動かしていた。
少年たちは、雪の降るガソリンスタンドに居る。
そこには、人型の影が12体ほど、蠢いているのが見えた。
「何か、いい物が出ると良いなぁ」
腰に当てた腕を下ろし、影に向かって歩き出す少年。
彼の左腕からは、黒い液体が滴り始めた。
それに気付いた影の半数が、少年の方を振り向く。
顔には、半開きの口しか無い。
そして、奴らの一体が、少年に襲いかかった。
人の頭を飲み込める程に、大口を開く。
「おっと!」
少年は、左に紙一重で避けると、回転するように左腕を叩き付けた。黒い液体が弾け飛ぶ。
少年を襲った影は、頭部が陥没し、傷口は蒸発している。
頭を抱え、悶える影。
その胴体が、3本の触手に切断された。
「あは! 良いタイミングだよ、キング!」
3本の触手は、キングの頭へと戻るように、縮んでいく。
「さて、残りも片付けてしまおうか」
この世界に、音は少ない。
鳴り響く戦闘音と、雪を踏み締める音だけ。
大通りには、人も車も通らない。
明かりの無い街並みは、夜になると更に暗くなる。
何も見えない程に…
「よし、こんなもんか」
12体の影たちは、文字通り、地面の染みと化していた。
黒いだけの残骸は、もはや形を失っている。
へどろのような残骸が、破裂するように何かを吐き出した。
「えっと、アクセサリーと、鞄か…鞄の中には、何が入ってるんだ?」
鞄を探る少年を横目に、次々と影の残骸が破裂していく。
鉢植え、ぬいぐるみ、化粧品…
「お! 鞄の中に食べ物が入ってる!! おにぎりと、サンドイッチと…飲み物。やった! 大収穫だよ!!」
喜ぶ少年を見上げるように、身体ごと首を傾げる、謎の生命体、キング。
「やったぁ! 今日はご馳走だ! 金属製のアクセサリーは、何かに使えそうだし、後はキン…」
大きな影の残骸が、勢いよく破裂した。
「…グの分……え?」
影の残骸から吐き出されたのは、14歳くらいの少女だ。
水に飛び込んだかのように、全身が濡れている。
コートからは、赤いワンピースの裾が見える。
ぐったりと横たわる少女の口元には、髪が張り付いていた。
「え…? 人間…?」
上手く書けると良いなぁ。
完結が最優先の目標!