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ダンジョンの怪人  作者: ガトリングレックス
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第27話 仲間

そう言えばリーガーとサウズはと言うと、今後のことについて語り合っていた。


「あの騎士の魂めぇ。マリー達を戦争へ呼び出すなんぞ、絶対に許さん」


「確かに、主人を操ったあの行為、怒りを覚るな」


リーガーのその発言に、サウズは「ほほーう」と笑う。


「なんだその笑いは?」


「いや、お前もマリーを認めたんだなと思ってな」


リーガーの中でマリーの見方が変わった。

あんなにもハイグリーを想い、小さな体で果敢にモンスターと立ち向かうあの姿。

今の自分に映ったのはそんなマリーの戦いへの姿勢だった。

魂達に支えられているのもあるが、彼女の表情が明るくなった気がする。

無理しているところもあるのは理解できる。

家事や人からの拒絶、確実に精神を蝕んでいくだろう。

しかしそれは試練であり、ハイグリーと言う思い人に寄り添うための第一歩なのだ。


「それにしてもあの3姉妹、人間の気配がしなかったなぁ」


サウズが不思議そうにそう言うと、リーガーも「俺もだ」と理解を示す。


「あの3姉妹、俺達と同じ武器の気配がした。人の形をした武器、なにもなければいいんだが」


2本の武器は主人の事を心配しながら、ロッカーの中でマリーを待つのだった。


一方その頃、マリー、バーン、エクス、ミニアは体を洗い終わり、湯船に浸かり始める。

マリーにとっては少し温度は低めだが、ゆっくりと浸かれると思えば………


(いやいやいや!? 早く帰らないとハイグリーの体拭けないじゃん!?)


マリーは急いで湯船を出ようとすると、バーンに左手を掴まれる。


「ヒグッ!?」


突然の事で変な声が出る。


「ダメですよ。もっと浸かってないと、疲れが取れませんから」


まるで自分の事を妹の様に注意するバーンに、少し動揺を覚える。

さらに優しく抱き寄せられ、動きを封じられる。


(むっ、胸が当たってるぅーーーー!?)


背中にに当たる胸、これが男性の好むと言う柔らかさなのだろうか?

自分もきっとこうなると信じたいとマリーは感じた。


「さあ、お姉さんと一緒に、ゆっくり入りましょうねぇ」


その優しい声を聞き、エクスは呆れてため息を吐く。


「またやってますね。不審者扱いされますよ」


「いいじゃないですか。それにしてもこんなカワイイお嫁さんをもらえて、ダンジョンの怪人さんも幸せでしょうね」


マリーはバーンの発言に、この状況を悪くないと思えてきた。

機嫌を良くし、情報を聞き出すのも兼ねて話しかける。


「ねえねえ、お姉さん達はどこの出身なの?」


「お姉さん達はね、レップルと言う国から呼ばれたんですよ」


レップルとはバルロスから北に位置する国で、対魔王軍用兵器の開発が行われている、いわば兵器製造工場と化した国である。

バロンの機械仕掛けの青き鎧もそこで製造されている。


「兵器開発を進めながら、農業にも力を入れているんですよ」


「特にジャガイモとイチゴが盛んなんです」


バーンとミニアの話を聞くと、マリーは興味有り気に瞳をキラキラさせる。


「ジャガイモかー。私それでバター焼き作りたいなぁ」


「じゃあマリーさんの所に送りますから、ぜひ食べてくださいね」


マリーは思った。

彼女達ならハイグリーを見ても怖がらず、受け入れてくれると。


「あのねお姉さん達、お風呂出たらさ、ハイグリーに会ってみる?」


その言葉に対してバーンは彼女に向けて笑みを浮かべる。


「はい、マリーさんの旦那さんにぜひ会いたいです」


「お姉様に着いて行きますけど、いざとなったら………」


「それ以上言うと、マリーさんに嫌われてしまいますよ」


姉にプレッシャーをかけられ、エクスの肩身が狭くなる。


「マリーさんの旦那様ですかー。羨ましいですねー。私も良い男性に巡り合いたいですー」


「まだ私達は若いんだから、そのうち会えますよ」


ミニアの憧れる結婚、ハイグリーとは結婚していないが、同居してるのだからそう変わらないだろう。

話が弾み、彼女らの体は熱っていく。

しかしマリーは知らなかった。

この4人の中で自分だけが人間だと言うことを。



一方その頃、ハイグリーはレラーイがいる隣の部屋で談義していた。


「これからどうするハイグリー。俺達ははめられてここに来た。ちなみに俺は逃げるつもりはない。いや、逃げれる自信がないと言ったところか。ハイグリーとマリーを置いていけるほど臆病でもないしな」


テーブルに右腕の肘をつき、切なそうに笑みを浮かべる。


「僕は戦いなんてどうでもいいんです。マリーと一緒にいれれば、共に生活できればそれで」


「ハイグリー、それはただのワガママって奴だ。もしその事をマリーに聞かれたとして、なんて言われるだろうなぁ。きっと騎士に操られて、またお前を騙すだろう」


「じゃあ、強制された戦いに参加しろって言うんですか?」


苛立ちを覚え始めたハイグリーに、レラーイはハッキリと声に出す。


「ハッキリ言うぞ、俺達は人質を取られている。マリーを騎士の魂供にな。従うしかないんだよ。王の兵士として、魔王軍を全滅させる道具として…………これ以上言わせないでくれ、俺も、お前も、こんな話聞きたくないだろ………」


「レラーイ…………先生」


虚しい、実に虚しい。

そう思っていると、玄関からノックの音が聞こえてくる。


「なんだこんな時に」


引き攣った表情で玄関を開けると、そこにはツンツンとした黒髮の大柄な男性が立っていた。


「ようやくみつけたぞ、鋼鉄の死体人形」


「誰だあんた。ルームサービスなど頼んでないんだがね」


ジョークをかますレラーイに、男性は名を語る。


「俺はバロン、英雄バロンだ」


その名を聞いて、「知らんな。知っていても、興味はない」と彼は目を細め、バロンを威圧するのだった。











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