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ダンジョンの怪人  作者: ガトリングレックス
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第24話 両想い

3人になった四天王は魔王に召集される。

サイバーフィンは知っている。

おそらくデュナイツの死の事を話すのだろう。

玉座の間に到着し、3人は中へ入る。


四天王の1人、彼の名はバイス、すべての攻撃を反射する金色に輝く鱗を持ち、2本の角、四足歩行の5メートルほどあるドラゴン。



四天王は魔王に跪き、話を聞く体勢になる。


「四天王よ、良くぞ来てくれた。今回来てもらったのはデュナイツの事についてだ。機械仕掛けのカラス(メカニカルクロウ)によるとデュナイツはサイバーフィンと共に人間の国を攻め落としに向かった。だが冒険者によってその命を奪われた。サイバーフィンよ、これはお前の責任だ。部下達をデュナイツに付けなかった結果なのだからな」


「申し訳ございません」


深々と頭を下げるサイバーフィンを見て、ベールは憎しみを覚える。

恋をしていた相手が死んだ理由が彼女の作戦ミスだったのだから。


「デュナイツは1番戦力を有していた。それを失った以上こちらとしてはかなりの痛手だ。命を大切にする。肝に銘じる様に。では解散」


「「「はい!」」」


3人は大きく返事を返し、玉座の間を出た。


自分の部屋に入り、鍵を閉めると、ベールはベッドの上で泣きながら(うずくま)る。


「なぜだ! なぜお前の様な者が先に行ってしまうのだ!」


泣きじゃくりながら叫ぶ。

今はそれぐらいしかできない。

自分が死なせたわけではないが、感情を爆発させるには十分の出来事だった。


すると彼の笑い声が聞こえる。


「デュナイツ!? お前なのか!?」


ベッドから飛び上がり、姿を確認しようと辺りを見回す。

そこには黒き鬼火があり、そこから聞こえてくる。


「デュナイツ…………」


「ようベール、さっきまで泣いてたようだが、なんかあったのか?」


なにも知らないデュナイツに、告白のタイミングだと思い、デベに言われた通りに述べようとする。


「あのだなデュナイツ」


「なんだよ。この期に及んで説教か?」


「違う! 私は前からお前の事が好きだ! 結婚を前提に付き合ってくれ!」


ベールの告白に、デュナイツは「えっ」と声を漏らす。


「前からって、ベールまさかずっと俺に片思いしてたのか?」


「答えを聞かせろ! 付き合うのか! 付き合わないのか!」


質問に対して、ため息を吐く。


「はい。こんな格好だが、これからよろしくな」


ようやく、ようやく自分の願いが叶った瞬間である。


「デュナイツ早速だが体が欲しいだろう? ならば私を使え。もちろん意識を完全に支配する事は許さんぞ」


ウキウキしたように早口になるベール。


「物好きだなぁ、まあ確かに体が欲しかった。このままだと彼氏として申し訳ないし。じゃあ早速行かせてもらうぜ」


デュナイツは彼女に憑依し、体と馴染ませる。

すると姿が段々と変わっていく。

赤い髪に青が入り混じり、右の瞳が血の様に赤くなる。


「とりあえず魔王様に報告しに行くか」


「分かった」


デュナイツの指示通りベールは部屋を出ると、そこには彼女側の部下、ドラゴニュートの茶髪の女性、鎧を身につけたバジが待っていた。


「ベール様? なんか雰囲気変わりましたけど、オシャレですか?」


「フフフ、聞いて驚け。私の元にデュナイツが化けて出たのだ! そして告白した。答えははい。こんな有意義な事はないぞぉ」


上司の意味不明な発言に、バジの顔が青ざめる。

まず幽霊という物はこの世に存在することは知られている。

死霊術が存在することがある意味証拠だ。

しかし幽霊と付き合うなんて、あまりにも危険な行為だ。


「ベール様! 幽霊と付き合うなんてやめてください! そんなことをしたらあなたの体が壊れてしまいます!」


バジのその焦りの言葉に、デュナイツはベールの口を借りる。


「俺はそんなことしてねぇよ」


声がデュナイツの物に変わり、立ち方が男らしくなる。


「その声は!? デュナイツ様!?」


「そうだ。俺はベールを壊すようなことは絶対しない。とりあえず魔王様のところにこの事を報告しなくちゃいけないんだ。だからここで失礼するぜ」


決意を表明したデュナイツはズボンのポケットから鍵を取り出し、部屋の鍵を閉めると、魔王の間へと向かう。


(デュナイツ様、あなたがベール様に取り憑いている時点で、壊す原因になっている。これはベール様のため、成仏してもらわなければ)


バジはベールの姿をした2人を睨み付けた後、仲間に教えに向かった。



数十分後、魔王の間に到着したベールを見て、玉座に座る魔王は察した様子で「ふん」と鼻を鳴らす。

それからデュナイツの発言を聞き、確信に変わる。

デュナイツがベールに憑依していること。

2人が付き合い始めたと言うこと。

そして、改めて彼らが自分に忠実な部下なのだと。


「なるほど、つまりお前達は一心同体と言うことか、では昼はデュナイツの仕事を、夜はベールの仕事を任せる。疲労が溜まるだろうから朝はしっかりと寝て、夕方にちゃんと休憩を取れ、2人で幸せにな。下がって良い」


「「御意(ぎょい)」」


2人は魔王に頭を下げると、魔王の間を出る。


それからデュナイツの部下とベールの部下は統合し、共に人の国を滅ぼすようになった。

確かに戸惑う者もいるが、そこは四天王の風格と、リーダーシップで補う。


メンタルケアをしているデュナイツの姿を見て、嫉妬してしまうところもあるが、苦労してるのが目に見えて分かる。


そんな姿を見て、デベはガッツポーズをとるのだった。




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