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ダンジョンの怪人  作者: ガトリングレックス
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第23話 解除

「デュナイツは倒した。さあ、帰ろう」


レラーイは優しい笑みを浮かべ、マリーと共に門から国を出る。

そこには、モンスター達の両断された死体が何体も転がっており、辺りを見回しながら歩いていく。


「まだモンスターがいるのか?」


「みんなが言ってる。まだ敵は残ってるって」


マリーの発言に、違和感を感じるレラーイ。


「さっきも言ってたが、誰と話しをしてるんだ?」


その質問に彼女は説明するのがめんどくさくなり、目を細め、口を閉ざす。


「頼む、教えてくれよ。俺達仲間だろ」


彼の頼みにため息を吐きながら、説明を始める。


「今までデュナイツに殺された人達の魂が私に取り憑いてるの。今も私を支えるために、いてくれてる」


短い説明だったが、理解するには十分とレラーイは頷く。


「なるほど、魂達がマリーを守り、強くしているのか」


そう言っている間に、魔王軍の四天王であるサイバーフィンとその部下達と遭遇する。


「新手です!皆さん! よろしくお願いします!」


サイバーフィンの指示にモンスター達は叫びを上げ、2人に襲いかかる。

次の瞬間、魂達の金縛りをくらい、動けなくなった。


「邪魔」


リーガーの銃口をモンスター達に向け、マリーはトリガーを何回も弾く。

銃弾はモンスターに次々と命中、浄化の青き炎に包まれ、倒れていく。

リーガーからマガジンを取り外し、ポケットに入れると、弾が入ったマガジンを取り出し、装填する。


「俺も行かせてもらう」


レラーイは右手で剣を鞘から引き抜き、魔力で肉体を強化、その神速で敵達に十字傷を付ける。


「このままでは」


これでは全滅すると感じ、サイバーフィンは強化魔法を行うため、小型魔力原子炉を露出させる。


「言ってるでしょ、邪魔だって」


マリーの発言に魂達が彼女を拘束する。


「動けません。これは、『金縛り』でしょうか?」


「「サイバーフィン様!」」


倒れていたジルグ、バロンと戦っていたダングスは急いでサイバーフィンを守りに向かう。

だがマリーとレラーイの姿を見た途端、彼は頭を抱え、苦しみ始める。


「あの子は!? あの子の事を僕は知っている!? そしてあの男の事も!? グワーーーーー!?」


思い出される過去の記憶。

そう、あの2人は大事な人だ。


叫び声に気づいたマリーはダングスの姿を見て驚愕する。


「その声!? まさかハイグリー!?」


「僕はハイグリー…………彼女はマリー…………彼はレラーイ先生…………」


その話を聞いていたサイバーフィンは、指示を言おうとする。

しかし魂が口を塞ぎ、さらに拘束が強くなる。

ダングス、いや、ハイグリーはゆっくりとマリーに近づいていき、記憶を蘇らせていく。


「お前はここで倒す! くらえ! この斧を!」


バロンの振り下ろされるバトルアックスが、背中の制御装置を破壊する。

これにより偶然ではあるが、サイバーフィンの呪縛から解かれた。


ハイグリーは後ろを振り返り、バロンに両手を上げる。


「そんなことをしたところで!」


彼がバトルアックスを振りかぶろうとした時、マリーの魂達が金縛りを行う。


「ダングス、あなたは…………」


ジルグは察した様に剣を構え、ハイグリーを見つめる。


「僕はダングスじゃない。ハイグリーだ!」


両手の甲にある刃を飛び出させ、ハイグリーは魔力で肉体を強化、ジルグに向かって襲いかかる。

刃による連続突きをギリギリで躱し、彼女は剣を右斜めに振り下ろす。

だが左手の甲の刃で防がれ、逆に心臓部のコアを右手の甲にある刃で貫かれた。


「さようなら、ジルグ」


刃を引き抜き、回転蹴りをくらわせ、上空まで吹き飛ばす。

ポタポタと血が地面に落ちながら、ジルグは爆散した。


血の雨を浴びながら、ハイグリーはモンスター達をその刃で切り裂いていく。


「マリー」


「ハイグリー!」


ようやく会えた2人は抱きしめ合い、3回ほどクルクルと回る。


「ハイグリー、なんでそんな格好してるの?」


「話は後、とにかくモンスター達を倒そう」


マリーを地面に降ろし、ハイグリーは魔力で鎧を生成、装置する。


「ごめんなさいサイバーフィン様、恩を仇で返させてもらうよ」


モンスター達はその発言に対して、恐怖を覚え、全員サイバーフィンを抱えてその場を逃げ出し始める。

ハイグリーとマリーは追いかけようとするが、レラーイが前に出てそれを止めた。


「俺達は勇者じゃないんだ。復讐は終わった。それで良いじゃないか」


彼の言葉にハイグリーは違和感を覚える。


「復讐は、終わった?」


「そうだ。マリーが自分自身で決着をつけた。家の事も心配だろう?」


レラーイにそう言われ、((確かに))と2人は納得する。


こうして復讐の冒険は終わった。

しかしこれで戦いは終わらない。

復讐は復讐を生む。

彼らは気づいていない。

デュナイツの死が引き金になり、彼女の復讐が始まることを。

いや、彼と彼女のと言った方がいいだろう。

彼女の毒が、彼の死霊術が牙を向く。

だが彼女はまだその段階ではない。

彼女が彼の死を知るまで、復讐は始まらない。

近い将来感情の歯車が狂うだろう。

1つ、また1つ、強さと恋の代償として…………





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