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人の生というものは

焦燥と貞操

作者: 支那勿忘草

人、人、人、人、

足を前に進める度に踏み続ける。

黒い人々。

表面をどれだけ着飾っても、

どれだけ塗り重ねてもそれは深く、黒く。

重ねれば重ねるほど取り返しがつかなくなる。

歳も体も。

病院のベッドの上でやっと気付く。

踏む、踏まれる、踏む、踏まれるの悪循環。

感じる度に自分の不甲斐のない愛を恨む。

一喜一〇〇憂を繰り返す人生を

好きになる事など出来ない。

そんな環境を生む人間もまた。

好きになる事など出来るはずがない。

起きて寝て、

起きて寝て、

時々自身の下半身に手を伸ばし、

自分の黒いそれを浄化するように、

また何度も何度も。

何もかもが嫌になる。

人として産まれて、人間として生活する。

美しさを知るたびに、

尊さを知るたびに、

脆さを知るたびに、

目の前の人を恨む。

鏡に映る人間を憎む。

暗い部屋に、紅い血、

明るくみえる社会にも、赤い血、

不甲斐なさを埋めるように流れる血に、

焦燥感まで流す事を求めるも、

結局何も流れ出ない。

体から血の気だけが引いてゆく。

それをも埋めようと体を重ねるも

埋まるのは性欲だけで、

涙と血と人としての営みばかりが流れ出る。

ゆく当てのない人生に、

終止符を打たんとする声に、

鈍い刃物と血をもって返事をする。

次にテレビに出るのは、

自分であることを願います。

誰かがホームから持ち帰った靴は、

今度は自分に履かせてください。

愛でさせてください。

悪のように語られるかもしれないが、

初めて感謝の気持ちを持ってゆきます。

はかせてくれて、ありがとう。

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