各ジャンルの傾向
大ジャンルの次は、ジャンル単位の『獲得したポイントに応じた階層へ小説を割り振った一覧表』を見ていただきます。キーワードと並んでジャンル内の動向は重要です。
最初に見ていただくのは、2017年全データと2018年全データの比較結果です。
上記の4つの表は、区切られた階層に投稿された小説がどれだけあるのかを小説件数で表しています。下の4つの表は、各大ジャンルの総合計を100%としたときに、各階層にどのくらいの割合(各階層の小説件数÷各ジャンルの総合計)で小説があるのかを表しています。最初は、異世界、現実世界、ハイファンタジー、ローファンタジーの4つです。
上4つの小説件数の表を見ますと、順調に小説の数を増やしています。ハイファンタジーなど、2018年の10万ポイント以上の階層だけで144件もあるという結果が出て驚いています。さすがに『小説家になろう』で最も勢いのあるジャンル群ですね。
一方、下4つの割合の表を見てみますと、2017年よりも2018年の各階層の割合はほとんどが微減しています。これは0ポイントの階層の割合が増えたあおりを受けてしまったのでしょう。ローファンタジーなど0ポイントの階層が4%以上も増えてしまっています。ただ、若干の不安はあるものの、まだそこまで問題視することもないでしょう。この傾向が今後も続くのかどうか今後も注目です。
次は、純文学、ヒューマンドラマ、歴史、推理、ホラー、アクションの6つです。
上6つの小説件数の表を見ますと、各ジャンルに投稿された小説の数は増えています。ではどの階層が特に増えているのかなんですが、どこも0ポイントの階層が中心なんですよね。もちろんどの階層も2017年に比べたら2018年の方が増えているんですけど、高ポイント層になるほど現状維持という印象が強くなっています。
しかし下6つの割合の表に目を向けますと、その様子は少し変わってきます。一見するとどのジャンルも2017年と2018年でほとんど変化はないんですが、0ポイントの階層の割合が増えた分だけ1~24ポイントと25~49ポイントの階層が減っていました。だから100ポイント以上の階層に大きな影響が出ていないんですね。
次は、コメディー、VRゲーム、宇宙、空想科学、パニックの5つです。コメディーだけ文芸ですけど、これは先の6つに入りきらなかったのでこっちのグループに入れています。
小説件数の表と割合の表を見てみましたが、全体的に満遍なくどの階層にも小説が増えているようです。一部、空想科学の0ポイントの階層みたいに4%以上増えているところもありますが、大半は微増減にとどまっています。上記の表を見る限り、この5ジャンルは堅実に成長しているのではないでしょうか。
次は、童話、詩、エッセイ、リプレイ、その他の5つです。
小説件数の表と割合の表を見てみますと、高ポイント層が寂しいことになっていますが、どのジャンルも堅調に成長しているようです。ただし、その中でもリプレイだけは0ポイントの階層の割合が12%も増えています。代わりに25~49ポイントの階層の割合が大きく減っていますね。小説件数を改めて確認すると4件減っていました。元々この階層にあった小説がポイントを得て上位階層へ移ったのだとしたら、後続がないようです。これが一時的な状況であることを願うばかりです。
次は2017年年間データと2018年年間データを見ていただきます。
上記の表は、区切られた階層に投稿された小説がどれだけあるのかを小説件数で表しています。下の表は、各大ジャンルの総合計を100%としたときに、各階層にどのくらいの割合(各階層の小説件数÷各ジャンルの総合計)で小説があるのかを表しています。最初は、異世界、現実世界、ハイファンタジー、ローファンタジーの4つです。
小説件数の表と割合の表を見てみましたが、どのジャンルも両年ともに投稿された小説の総数も各階層への分布も大体同じです。ただ、異世界と現実世界の高ポイント層が若干厚くなっていますので、2017年よりも2018年は恋愛関連の小説が注目されていたようですね。
次は、純文学、ヒューマンドラマ、歴史、推理、ホラー、アクションの6つです。
上6つの小説件数の表を見ますと、どのジャンルも両年ともに投稿された小説の総数は大体同じです。そして、0ポイントの階層の小説が増えて、1~24ポイントの階層の小説が減る傾向にあるみたいですね。全体的に高ポイント層が寂しいのも共通しています。他に特徴的なのが、ヒューマンドラマの2500~4999ポイントの階層よりも5000~9999ポイントの階層の方が2倍も多いことですね。10000~24999ポイントの階層も2018年になって急増しています。通常は次第に減っていくものですから珍しい現象ですね。
下6つの割合の表についてですが、どのジャンルも0ポイントの階層の割合が増えて、1~24ポイントの階層の割合が減っています。それ以上の階層については2017年と2018年共に大きな変化はなさそうです。ただし、推理の25~49ポイントの階層は別で、ここだけ割合が3分の2になっています。小説件数のところでは触れませんでしたが、小説の数が激減していたからです。
次は、コメディー、VRゲーム、宇宙、空想科学、パニックの5つです。
小説件数の表と割合の表を見てみましたが、ジャンルによって投稿された小説の数が増えたり減ったりしています。ひとつずつ見ていきますと、コメディーは2018年になって小説の総数こそ減っていますが、高ポイント層は逆に厚くなっています。読者に注目されているのかもしれませんね。宇宙は2018年ですと2500~4999ポイントの階層こそ小説がありませんが、それでも高ポイント層に少しずつ小説が増えてきています。逆に空想科学とパニックは2017年よりも勢いが若干なくなってしまったようですね。2018年には1万ポイント以上の階層に小説がなくなってしまいました。
次は、童話、詩、エッセイ、リプレイ、その他の5つです。
小説件数の表と割合の表を見てみますと、どのジャンルも高ポイント層にほぼ小説がない状態となっています。特に童話と詩は2018年には投稿された小説の数も前年より少なくなっており、あまり良い状態とはいえません。更に残念なのがリプレイです。せっかく投稿された多くの小説が0ポイントの階層にとどまってしまっています。
次は2017年転生転移データと2018年転生転移データを見ていただきます。
上記の表は、区切られた階層に投稿された小説がどれだけあるのかを小説件数で表しています。下の表は、各大ジャンルの総合計を100%としたときに、各階層にどのくらいの割合(各階層の小説件数÷各ジャンルの総合計)で小説があるのかを表しています。最初は、異世界、現実世界、ハイファンタジー、ローファンタジーの4つです。
小説件数の表と割合の表を見てみましたが、異世界と現実世界は2017年と2018年で大きな変化はなさそうですね。特に現実世界は投稿された小説の数が少ないにもかかわらず、ちゃんと高ポイント層まで小説が分布しているのはすごいと思います。ハイファンタジーも両年で大きな変化はなさそうなんですが、若干高ポイント層が薄くなったように思われます。一方、ローファンタジーは2018年になると少し苦しくなってきていますね。5000~9999ポイントの階層に小説がないというのに不安を覚えます。
次は、純文学、ヒューマンドラマ、歴史、推理、ホラー、アクションの6つです。
小説件数の表と割合の表を見てみますと、さすがに文芸関連のジャンルなので転生転移では投稿数からして寂しいです。純文学や推理などは年間で50件くらいしかありません。そんな中でも健闘しているのがヒューマンドラマとアクションです。ある程度投稿数がありますので何とかなっています。微妙なのが歴史とホラーで、小説がある階層とない階層が交互になっているなど判断が難しいです。
次は、コメディー、VRゲーム、宇宙、空想科学、パニックの5つです。
小説件数の表と割合の表を見てみますと、コメディーは2018年になって小説の数が増えただけでなく、高ポイント層へ小説の分布を広げていますね。逆にVRゲームは2018年になって勢いが落ちてきています。100ポイント以上の階層の小説数は実のところ前年と同じ16件なんですが、100~249ポイントの階層に集中しているため勢いがなくなってきているように見えます。宇宙については、微妙ながらも2018年は勢いが少しでてきたようです。逆にパニックと空想科学は微妙に勢いがなくなってきているみたいです。
次は、童話、詩、エッセイ、リプレイ、その他の5つです。
小説件数の表と割合の表を見てみますと、童話と詩は完全に衰退していますね。特に詩は2018年ですとついに投稿件数がリプレイに抜かれてしまいました。エッセイも勢いがなくなってきていますね。リプレイは、2017年の投稿件数が少なすぎたということもありますが、2018年は100ポイント以上の階層にも小説が分布しています。その他は、最高位の階層こそ2017年と2018年で同じですが、小説の数が減った分だけ2018年の1ポイント以上の階層が薄くなっています。
ファンタジーが強いのはもう仕方ないですが、だからといって他のジャンルが全くダメというわけではないことがわかっていただけたかと思います。異世界と現実世界以外にも、2017年と2018年の年間データを見ますと、ヒューマンドラマ、歴史、アクション、コメディー、VRゲームもある程度の支持を得ています。つまり、ここ1年か2年に限定しますとファンタジー以外にも徐々に支持が広がってきているとも言えるわけです。今後もこの傾向は更に強まる可能性はあります。