大ジャンルとジャンルの中央値
今回皆さんに見てもらうのは中央値です。例えば、ある集団に所属する数値が5つあったとして、その真ん中である3つめを取り上げるやり方です。その集団の数値が、0,5,10,500,1000とすれば、10が中央値ということになるあれです。平均値は平均値で役立つのですが、『小説家になろう』へ小説を投稿している作者にとっては、まず自分の小説が真ん中よりも上か下かを知りたいと思いますので、こちらを発表します。
最初に見ていただくのは、2017年全データと2018年全データの中央値です。
上記の図表は、大ジャンルごとの中央値です。左側が表で右側が棒グラフです。
図表共に一番上は『小説家になろう』全体の中央値になりますが、2017年から2018年にかけて2ポイント下がっています。1年間で小説の数は順調に増えていますが、同時に0ポイントの小説も増えていましたからその影響だと思われます。そして、全体の中央値が下がっていますので、各大ジャンルの中央値も全て下がっています。下げ幅も全体とほぼ同じですね。
次の図表は、ジャンルごとの中央値です。
大半が僅かに中央値を下げているだけですが、ローファンタジー、空想科学、リプレイは6~8ポイントと大きく中央値を下げています。また、アクションは、下げ幅はともかく、中央値が0ポイントになってしまいました。今のところ唯一なので地味に目立っていたりします。そんな中で、ヒューマンドラマ、童話、詩、その他は変化なしと健闘していますね。
次は2017年年間データと2018年年間データを見ていただきます。
上記の図表は、大ジャンルごとの中央値です。左側が表で右側が棒グラフです。
図表共に一番上は『小説家になろう』全体の中央値になりますが、2017年と2018年で変化はないです。しかし各大ジャンルでは微妙に変化がありまして、ついに恋愛はファンタジーに追いつきました。一方、文芸とSFは2ポイントずつ減っており、文芸はついに0ポイントとなってしまいました。この1年で二極化してきたように見えます。
次の図表は、ジャンルごとの中央値です。大ジャンルの図表の解説で二極化してきたのではとお話しましたが、原因を探っていきましょう。
大ジャンルの恋愛は中央値が1ポイント上がっていましたが、異世界と現実世界の中央値に変化はありません。これは、ジャンル別では現れないが大ジャンル別では現れる程度の微妙なポイント増加をしたのだと思われます。個人的には非常に器用な増え方だと思います。
大ジャンルの文芸は中央値が2ポイント下がって0ポイントになっていましたが、これは純文学と歴史の中央値が下がったからでしょう。純文学は小説の件数が多いですし、歴史は獲得ポイントが多いですから、この2ジャンルの中央値が下がれば大ジャンルの中央値も下がる要因になり得ます。
大ジャンルのSFも中央値が2ポイント下がっていましたが、これはVRゲームの中央値が下がったからですね。SFの中ではVRゲームは1強ですので、ここが変化すると大ジャンルも大体変化します。
次は2017年転生転移データと2018年転生転移データを見ていただきます。
上記の図表は、大ジャンルごとの中央値です。左側が表で右側が棒グラフです。
転生転移も大ジャンルでは大きな変化はありません。2017年から2018年にかけて全体の中央値が1ポイント下がっていますが、これはファンタジーの中央値が2ポイント下がったからでしょう。その他も2ポイント減って0ポイントになっていますが、全体へ与える影響はファンタジーの方が多きいかと思われます。
次の図表は、ジャンルごとの中央値です。
大ジャンルの恋愛は2017年も2018年も同じでしたが、異世界と現実世界のどちらも2018年で中央値は上がっています。今までは異世界が小説の数の多さで中央値を引き上げていましたが、2018年はどちらも同じくらいの中央値なので大ジャンルの中央値も8ポイントに落ち着いたのでしょう。
大ジャンルのファンタジーは中央値が2ポイント下がっていましたが、これはハイファンタジーの中央値が1ポイント下がったからですね。小説の数が多いのでこれだけでも影響が大きいのでしょう。
次に見るべきところは歴史です。2017年の時点でも高かったですが、2018年は更に上がっています。元々歴史は小説の数は少なくても読者がポイントをたくさん付けてくれましたが、近年は更にその傾向が強くなったということですね。宇宙もちょこっと頑張りました。他にはエッセイの中央値が4ポイントも下がっています。それでもまだ高い方なのですが、一体何があったのでしょう。
いかがでしたでしょうか。大体は大ジャンルからジャンルの傾向が掴めるようです。VRゲームのように年間データと転生転移データでは大きく中央値が異なるジャンルがあれば、推理のように変化のないジャンルもありました。興味深いですね。大まかにですが、これで大ジャンルとジャンルの状態が少しわかったかと思います。