巻きの12『学校って、たっのしーぃ♪』
「ねぶい〜……」
「ほら、タク。早く食べないと遅刻するぞー」
「誰のせいだよっ!!!」
「ごめーん♪」
おはー。可奈ですよ。
さすがタク。昨日で宿題終わらせてくれたらしいです(実際は今日)。それに比べてあたしはぐーすか寝ちゃって悪いねぇ。……ホントに感謝してるよ?口には出さないけどね(言えよ)。……あ、もう行かなきゃ。
……さて、今あたしたちは登校中ですよー。
「あ、可奈ぁ〜!」
んむ?あ、結花ちゃんだ。
「おはよっ!可奈と……ジャガイモ……」
「じゃがっ!?」
ジャガイモ……ぷくく……。
「僕!?ジャガイモって僕!?」
「……ね、ねぇ可奈?宿題ちゃんとやって来た?」
「無視ですか……」
「うん、余裕余裕〜♪」
「え、珍しいわね可奈にしては」
「(ボソッ)そりゃキミは余裕だったろうさ……」
「ほーら、じゃがは喋らないっ」
「……」
「ぐっもーにーんぐっ!!!」
『わっ!?』
「ごめんよー。びっくりさせちったかな?」
あ、理恵ちゃん。
「もう、理恵。驚いたじゃないの」
「ふはは。……あり?タクヤンどったの?元気ないね」
「……どうせ、ぼかぁジャガイモですよ……。あぁ、早く人間になりたーい……」
「はぃ?」
「あ、理恵ちゃん。タクはジャガイモだから言葉が通じないんだよ?」
「ほぇ?……なんだなんだ、ボクのいない間に何か面白そうなことしてたみたいっだね〜」
「『っ』の位置がおかしいわよ」
「気にしない気にしない」
「一休み一休み」
「は?」
「ナイス可奈っち♪」
「やっぱあたしら息あってるねー♪」
『イエーィ!!!』
「何してるのよ?」
――さぁ学校に着いたぜっ!
「……何よ今の?」
「さぁ?」
はいはい、教室に着きましたあたしたちです。あたしとタクと理恵ちゃんと結花ちゃんはみんな同じクラスなんだよ。
「うぅ……ジャガイモ……」
なんか机に突っ伏して泣いてるジャガがいるけど気にしなーいっと。
「ほら、皆さん。席について下さい」
『はーい』
今のが担任の先生……男だよ?
え、まじめそうな人だって?……そうでもないんだよ、この人は。
「今日は始業式と大掃除をしたら終わりです。まぁ、始業式は校長がぱぱっと終わらせてくれるとして、大掃除は皆さんがやらなければいけませんよ?手早く片付けるようお願いします。私は掃除の間は監視をしていなければいけないので、自由な時間が削られる、というわけです。私の自由時間は皆さんに懸かっているのです。わかりましたか?」
『……』
「わかりましたね?」
『は、はい……』
校長の弟さんなんだって。いつもニコニコしててイケメンな先生なんだけど……。
……うん、あの姉弟って性別と言葉遣い以外はすんごく似てると思う。
「では、始業式です。行きますよ」
――始業式だYO!
「なんだ今のは!?」
タクが大声でツッコミを入れたようです。立ち直ったのかな?
「えー……教頭です。只今より始業式を始めます。気をつけ、礼」
あぁあ、なんかずっと座ってるのって、むずむずするよね。
むずむず……。
「えー……次は校歌斉唱です。皆さん起立して――」
「ってのは無しで」
「はい!?校長、困りますよ。これは決まりなんですし――」
「校長の権限ね。長いじゃん、うちの校歌。……じゃ、校長の話やって終わりね」
「ちょ、校長――」
「児童たちよ、元気ぃ?」
『はーい!!!』
「よしよし、子供は元気が一番。あたしなんかより元気で居てもらわなきゃね。…・・・では、五秒で終わるぞ」
『早っ!?』
今のは笛塔小学校のツッコミ一同だね。もちろんタクもいるよ?
「みんなとにかく遊べ!!!」
『何それ!?』
「いちいちツッコミご苦労」
『いえいえ……』
シンクロしてるよ……。なんかタクがいっぱい居るみたい……。
「まだ小学生なんだぞ。今遊ばないでいつ遊ぶ?でないと直ぐに大人になっちゃうぞ?……だから――」
「遊びまくれ!!!」
『はい!!!』
「勉強なんかクソくらえ!!!さんはいっ」
『勉強なんかクソくらえ!!!』
「バカ、勉強はしないとダメだぞ?」
『あんたが言ったんだろ!!!』(笛塔小学校ツッコミ一同)
「気にしないっ!子供の仕事は遊びだ!!!さんはいっ」
『子供の仕事は遊びだ!!!』
「だから勉強クソくらえ!!!」
『それはダメだって!!!』
「悪りぃ悪ぃ」
『あははははっ!!!』
あはは、楽しー。
そんなこんなで三学期が始まりました。
やっぱり学校は楽しいね♪
校長姉弟登場っ!
名前はまだ無いっ!!
次回、お楽しみにっ!!!