巻きの11『宿題の恐怖…』
なぜか『巻きの11』が二つあるという不祥事が発覚いたしました…。今修正しましたが、その前にご覧になった方には深くお詫び致します…。
こんにちは。拓也です。
いきなりですが、明日は僕らの小学校の始業式なんですよね。
は、今更?と思った人も多いだろうと思うけど、いつもこんなモンです。我らが『笛塔小学校』の冬休みと夏休みの期間は、校長の気まぐれによって決められるんですよ。
――二学期終業式。
「いよぅ、みんな。校長だ。あたしさぁ、校長じゃん?だから色々あるわけよ。でさ、疲れちったんだよね。だ・か・ら、冬休みは1月12日までとしようじゃないかー!」
「あ、あの……校長……?」
「どったの教頭?」
「1月12日は成人の日で休日なんですが……」
「あ、そなの?……じゃあ……13日で。うん、そうしよう。そういうことだ児童たちよ。では、終業式終わりっ!解散っ!!」
『わぁ〜い!!!』(児童たち)
「え、ちょ、校長!まだ私からの『冬休みの注意』が……」
「いいじゃん、めんどい。そんなのやったところで、どうせ児童たち寝るし。っていうかもう皆帰ったし」
「え?……あぁ〜待ってください皆さん!!」
「じゃあね教頭。良いお年をー」
「あ、校長!……」
そうして体育館には、教頭が一人ぽつんと残されたのだった。
……というわけです。
まったくもって、てきとうな校長なんだ。初代の校長からあんならしい。学校の名前まで『てきとう』だし……。なんであんなのが校長なんかになれたんだか。絶対裏でなんか操作したんだと思うよ……。
いや、今そんなことはどうでもいいんですよ。
がちゃん。
「タクー」
はぁ……。やっと帰ってきた……。
「まだ終わんないのー?」
こいつはほんっとにもう……。
「どこ行ってたんだよ!人にやらせておいて!!」
「いや……理恵ちゃん家にちょっと――」
「は!?それで1時間時間を潰そうという計画か?」
「や、計画っていうか、もう実行済みっていうか――」
「今すぐ替われぃ!!!」
「はひぃ……」
はぁ、まったく……。
あ、今の状況説明……いや、回想した方がわかりやすいかな。
――二時間前。
「拓也おにーいちゃん♪」
「うおっ、寒気が……。キミ、何を企んでいる?」
「一生のお願い♪」
「はぁ……。キミの一生のお願いを聞くの何回目だろ……」
「17回目だよ」
「……はぁ……。何さ」
「実はね、まだ宿題にちっとも手を付けてないんだー。てへっ♪」
「ちっとも!?何にもしてないって事!?自由研究も!?今もう午後5時だよ!?」
「ってことでお願いー。さて、あたしはちょっと用事があるからーっと。……さらばっ!」
「あ、ちょ、ま……」
……というわけです。
そうして無理やり押し付けられた手付かずの宿題の山を、生真面目にも少しずつ減らしてはいった僕でしたが、その宿題はと言うと、コツコツ毎日やるようにご丁寧にもスケジュール表までついてまして……まぁ、簡単に言えば1時間やそこらで終わるような代物では無いのですよ。いや、これも遠まわしな言い方だったかな?結局のところ、まだ全然終わっていないということですよ。
「ごめんタクー。反省してるよぉー。だから手伝って下さいー。うぅ……」
「まったくもう、わかったよ……」
そうして、二人で半分ずつ片付けていこう、という事になったのでした。
午後7時。
「……これってどういう事ですかね、可奈さん?」
「んー……さぁなんでしょう?」
問3、太郎はそのときどんな気持ちだったと思いますか?
可奈の答え……早く人間になりたーい!!!
「太郎って何者!?」
夕飯食べての午後9時。
「……ねぇ、可奈?」
「ん?」
「これ何?」
問6、海に近い町では、おもに何が盛んに行われるでしょう?
可奈の答え……むぎゃぁぶひゅるるる〜
「……どう解釈すれば?」
「わかんなかったから、先生を困らせてやろうと思ってさー」
「どうやったらそんな事思いつくんだか……はぁ……」
「あはは、それ程でもー」
「褒めてないから!キミはどこぞの『ケツだけ星人』か!!」
午後11時。
「タクー?」
「ん?」
「終わったよ、あたしの分」
「え!?僕なんかまだ半分くらいなのに。どれどれ……」
問1、わかんないやー、てへ♪
問2、あのさ、せんせ?五十円あげるから満点ってことで一つ。
問3、うわっ、怪獣に家を壊されたぁ。これじゃ宿題ができないよ。どーしよ?
問4、や、やめてタク……。兄妹はまずいよ……あ、そんなところ弄らないでー!!
問5、あ……まさかステラちゃんにまで手を出そうと…?逃げてぇステラちゃーん!!
問6、すっぽんぽーん!!!
「……」
「いやぁ、終わった終わったー。おやすみー♪」
「くわぁぁぁー!!!」
「うわっ!!タ、タク……落ち着こ?白紙で出すよりいいじゃん?……ね?」
「今すぐやり直せぇぇぇー!!!」
「はひぃ!!」
そうして夜も更けて可奈は寝てしまい、結局僕が徹夜で全部終わらせたのでした…。
「う……。目が真っ赤だよ僕……。今何時だろ?……げ!?」
―1月13日 午前5時―
あ、あはは……どうりで鳥のさえずりが聞こえたわけだ。いつもなら、とても清清しい気持ちになれただろうなぁ。
……でも、全然清清しくない。全っ然清清しくないっ!!!
私なんか宿題はいつも休みの終わりギリギリに始めますんで、こんな話。
スミマセン。はっきり言って始業式のことすっかり忘れてました。
でもですね、私は北海道はでっかいどーに住んでまして(どこだそれ)、冬休みが本州より長いんですよ。…言い訳になりますが、あはは…。
あぁ、否が応でも明日更新せねば…。遅れたらごめんなさい。